第42話 パーティメンバーの行方不明
俺はリーンちゃん達と供に、
元ゴブリン村で、
一夜を明かそうとしている。
ゴブリンに囚われていた、
全裸の女の子達16人も一緒にいる。
彼女達は呻いたり泣いたり暴れたり、
精神状態が不安定だが。
俺はニースちゃんと一緒に、
村の中から布を探している。
時刻はそろそろ、
夕方から夜に変わる頃合いだ。
「トモエさん、クラリスがっ!」
フレンダさんが走って来て、
そんな事を言ってくる。
「ニースはミルクの所に戻って!」
フレンダさんは俺の手を取って、
そのまま走って行く。
俺を急いで連れて行きたいらしいが、
彼女は歩を緩めないので、
ちょっと肩が痛かった。
「はいっ。」
ニースちゃんは不安そうな顔のまま、
全裸の子達を守っている、
ミルクさんの所に向かっていく。
「どうかしました?」
この方向は村の左側かな?
俺が山城の左半分を吹き飛ばした攻撃を、
撃ち放った場所の方向だ。
「戻って来なくて、
リーンが探しに行ったら、
戦闘の後しか無くて!」
えー。
面倒事を増やすなよ。
「クラリスさんを最後に見たのは、私ですか?」
「そうなる。
ゴブリンは何体位居たか、覚えてる?」
ゴブリンは、どれ位いたっけ?
「覚えてませんが、
10体から20体だと思います。」
ゴブリンの数が多かったら、
流石に少しは手助けをしたはずだ。
「その位だったら逃げ切れない子じゃない。
悪い予感が、当たったかも。」
「魔法使いですからね。
それで、悪い予感ってなんですか?」
魔法使いの万能性は高い。
俺はまだ水しか上手く操れていないが、
クラリスは火を操っていたし。
盾役のクラリスなら、
逃げる事は簡単だと思う。
「……ゴブリンロード。
ゴブリンキングが群れていたから、
いてもおかしくないはず。
でも、見ていないよね?」
「どのような個体が、
ゴブリンロードなんですか?」
ゴブリンキングを支配する種類かな?
「大きさはゴブリンキングより小さいけど、
魔法を使うゴブリンよ。」
モンスターが魔法を使う事もあるのか。
それで”ロード”って呼称なんだな。
「ゴブリンキングより小さくて、
ゴブリンより大きい個体は、見てません。」
でも、成長途中で小柄のゴブリンキングとかも、
居ると思うけど……いないのか?
「リーン、何か分かった?」
クラリスを最後に見た辺りに、
リーンちゃんが居る。
地面を色々と観察していたらしい。
「フレンダさん。
やっぱりゴブリンだけじゃないと思います。
この足跡、強く踏み込まれていますが、
ゴブリンよりは大きく、
ゴブリンキングよりは小さいです。
やっぱり、ゴブリンロードがいるかもしれません。」
この暗い中、よくそんな事が分かるな。
確かに、足跡は一杯あるんだけど。
「ゴブリンロードが偶然村の外にいて、
私達の襲撃に気付いて、
クラリスが真っ先に襲われたとしか思えない。」
フレンダさんが抱き付いてくる。
俺は彼女を抱き締めつつ、
問いかける。
「十六人を置いて、
追いかけますか?」
「ダメですっ!
ゴブリンロードは、
大規模な討伐隊が必要なモンスターですよ!」
リーンちゃんが止めてくれる。
モンスターが見えさえすれば、
俺でも殺れると思うが。
「もう夜になる。
今から追いかけるのは無理よ。
私がっ。私が早く気付いていれば!」
「村の制圧が終わったのは夕方でしたから、
直ぐに居ない事に気付いても、
手遅れだったと思います。」
ゴブリンの村がこんなに、
ケフの大森林の奥にあるとは、
誰にも予想出来なかっただろう。
それにしても、フレンダさんは、
心を許すと甘えん坊になるらしい。
可愛いけれど!
リーンちゃんの視線が痛いっ!




