第32話 初めてのモンスター退治
俺はリーンちゃんが所属する、
冒険者パーティ白黒の、
モンスター退治に同行している。
暫く進むと、妙に木が擦れる音が、
聞こえる様になった。
風が吹いて鳴っている音とは違いそう。
「あっちの上かな?
モンキー系のモンスターだと思うけど、
物を投げてくるから注意して。
それに、集団の数が多いから、
陣形を乱さない様に。
ニースは危なくなったら離れてな。」
荷馬車から、フレンダさん、
クラリスさん、ミルクさんが降り、
御者台からもリーンちゃんが降り、
馬車の前で陣形を取って、進んでいく。
俺はニースちゃんと供に、
御者台からモンスターを狙う。
まだ見えないけど。
「木が邪魔で見えない。」
「ちょっと射手には苦手な相手です。
数も一杯いますし、
木から木へ移動しますから。」
俺は御者台から降りて、
近くに落ちていた木の枝を拾う。
「フレンダさん、木に向かって投げますよ?」
枝をふりふりしながら、まだ近くに居た、
パーティリーダーに許可を取る。
「分かった。やって頂戴。」
リーダーのオーケーが出たので、
俺は枝を投げる。
怪訝な顔していたけど。
手を離れる瞬間に、
スキル、支配(対称性)を発動して、
枝の動きの内、
前へ進む動きの速さをぐっと上げる。
ドバッ。
音の後には、枝が命中し、
幹から上が爆散した木が残った。
散弾の様に、
周囲に吹き荒れる破片に当てられ、
モンスターが動き出し、その姿を捉える。
ゴリラっぽい。
兎も角、俺はニースちゃんから、
貰った矢を投げる。
ダーツの様にな。
そして、手を離れる瞬間に、
支配(対称性)を発動し、
矢の動きの内、
モンスターのいる方向への動きの速さをぐっと上げる。
これだけだと外れるから、
丁度良くモンスターに飛んで行く様に
前方に進む動きと合わせて、新たな動きを追加する。
ズボッ。
ウルフから牙を抜いた時と同じ様な音がして、
狙ったモンスターの腹に大穴が開いた。
次々に、狙いを定めて、
合計28頭のモンスターの腹に穴を開けた。
「これで、終わりかな?」
返事がない。
まるで。。
「ニースちゃん?モンスターはいる?」
「え!?……多分、いないと思います。」
うん、完勝だ!!
なんだろうか。
リーンちゃん達が、俺を指さしていたり、
口元を抑えて何か話していたり、
仲間外れの気分だ。
……いや、仲間外れなのは、
間違いないんだけど。
パーティメンバーじゃないし。
「なんでしょうか?」
……返事がないっ。
「トモエさん、ちょっと待ってて下さいね。」
悲しみに暮れた俺を見て、
リーンちゃんが答えてくれる。
流石、俺の天使!
俺は待っている間に、
モンスターの回収に向かう。
手伝ってくれないから、
スキルを使って、
片手で一頭、つまり両手で、
300キロ程度を一度に運ぶ。
十二往復で終わりだ。
……まだ話しているよ!
しかも、ニースちゃんも加わって!!
近寄るのも悪いので、
俺は木の枝を拾う事にする。
ニースちゃんに貰った古い矢も、
半分近く使っちゃったからな。
投げる物がもっと必要だ。




