第3話 対称性というチート
俺は夢の中で、
「10ptを振り分けてね」という謎メッセージの通り、
10ポイントを振り分けている。
魔力操作に1ポイント、
支配(対称性)に8ポイント、
無職LV1を辞めるために1ポイント。
……職業、何にしようか?
ファンタジーなら剣士か魔法使いがいいかな?
職業、剣士…1ポイント。
職業、魔法使い…1ポイント。
というか、このスキルとか職業は他人に見えるのか?
スキル、鑑定…1ポイント。
職業、鑑定士…1ポイント。
なんとなく、同レベルのスキルまで、
他人の保有スキルを見られそうな気がするが、
詳細は不明。不親切っ!
まぁ、ファンタジーの住人に対称性の説明をしても、
あまり理解されないとは思うが。
あれ?それなら職業も現実の物にすれば、
謎の人物の完成だ。
うん、そうしよう。
職業、プログラマー……1ポイント。
職業、エリートプログラマー……無し。
職業、天才プログラマー……無し。
職業、ジーニアスプログラマー……無し。
ジーニアスプログラマーってなんだよっ!
名刺に書いてある人知っているけど!!
職業はプログラマーに決定。
現実と変わらないが。
よし、スキル取得っ!職業取得っ!
スキルと職業を確認。
うん、全部取得出来ている。
あれ?1ポイント余っているな。
もしかして、
無職LV1に使われていたポイントだろうか?
まぁ、プログラマーLV2にしとくか。
さて、空中に浮く謎メッセージも消えたし、
街に向かおう!
俺達の冒険は此処から始まる!!
……夢の中だし、
瞬間移動とか出来ないかな?
……できないーっ!
スキル、支配(対称性)を使おう。
まぁ、まずはどんな感じが検証しよう。
小石を拾って、投げてみる。
小石が放物線を描いて飛んでいる最中に、
スキルを発動して、
投げた小石の対称性を支配し、
小石の動きを操作する。
今回は、小石が行っている動きの内、
前に飛んでいく動きの速さを激増させる。
おー!速いー……なんか、
遠くの山で爆発が起こったんですが!!
……俺がやったって、
気付かれないよね?
スキル発動後、ゆっくり飛んでいた石が、
急加速して飛んでいった。
一直線に、減速することなく。
おそらく、山肌に大穴を開けるまでな。
まぁ、思った通りのスキルで一安心。
でも、支配(対称性)LV1だと、
「空間並進対称性」しか、
操れないのは誤算だな。
まぁ、今夜だけの夢だからいいんだけど。
「空間並進対称性」
簡単に説明すれば、
ビニールボール手に持って立ち、
ボールを離すと、地面に落ちるよな?
跳ねながら転がったボールを拾って、
その場で立ち、手を離しても、
またボールは地面に落ちる。
場所が変わっても、落ちる事に変わりはない。
場所を移動したら、
落ちずに浮いたりはしないだろ?
つまり、同じ動きをする。
ボールを離す場所(空間)が変わっても、
同じ動き(並進)をするから、
空間並進対称性だ。
でも、対称性を支配している今、
違う動きをさせる事が出来る。
まぁ、LV1だと直線的な動きしか、
操作出来ないみたいだけど。
俺はジャンプして、
宙に浮いている僅かな間に、
支配(対称性)を発動する。
そして、俺の動きの内、
地面に落ちる動きの速さを0にする。
俺は、今、重力から解放された!
浮いているっ!!!
次に、支配(対称性)を発動して、
街に向かって進む動きを付け加える。
俺は宙に棒立ちのまま、
かなりの速度で街に向かって飛んでいる。
超不審人物……人目が気になったら、
ちゃんと歩こう!!
空間並進対称性(運動量保存則)を破りました。




