第17話 商業ギルドを脅迫
俺は夢の中で、リーンちゃんに紹介された、
商業ギルドの認定試験を受けている。
これで俺も夢の名であっても、
収入を得る事が出来るはずだ。
「トモエ君、
君はトウキョウという村が、
出身地らしいな。
村を出た後、今までどんな仕事をして来たか、
聞かせてくれないか?」
プログラマーをずっとやっています。
でも、どう説明しろと。
「……鑑定を使える方はいますか?
見て貰った方が、良いかと思いますが。」
「そうだな。
ぷろぐらまーという職業が、
何か分からない、と答えておく。」
うわっ。
既にスキル、鑑定が使われていたのかよ!
誰だよって……棄民担当の職員だろうなぁ。
露骨にこっち、見てないし。
「謎の職業、ではダメですか?」
「私達は君に危険を感じている。
これ程優秀にも関わらず、
素性が分からないからね。」
まぁ、危険視されるのは別にいいんだけど、
仕事が回って来ないのは困る。
リーンちゃんとイチャイチャするチャンスを失うって事だし。
おっ、解決法が浮かんだぞ?
でも、面倒事が増える気もするが、
まぁ、支配(対称性)のスキルが、
なんとかしてくれるだろう。
それに、スキル、鑑定を使われたのなら、
もうバレているはずだ。
俺は兎耳お爺ちゃんへ、
右手の人差し指を向ける。
怪訝な顔をしているが、無視して、
スキル、魔力操作を発動する。
空気中の水蒸気を指先に集め、
蛇口が開いたが如く、水を発生させる。
まぁ、魔力切れを起こさない様に、
数秒だけだが。
「「っまっ!!」」
彼らは大声を上げようとしたが、
咄嗟に我慢したらしい。
「リーンさんには、
バレてしまいました。」
リーンちゃんが、
全く驚く素振りを見せないから、
俺から言っておく。
「……シモン、
なぜ言わなかった!?」
獣顔のお爺ちゃんが、
職員に詰め寄っている。
「言える訳無いです。
私にも家族が居るんですよ?」
「俺にだって家族も!
ギルドもある!!
ギルド長、どうしますか?」
ギルドの人達は皆焦っているから、
貴族が魔法使いに対して取る手段って、
相当ヤバそうだ。
そして、兎耳お爺ちゃんはギルド長らしい。
まぁ、中央に座っているから、
偉い事は分かっていたけど。
「秘密にするしかないだろう。
もし、彼が貴族に囚われた後に、
私達は知っていた、なんて言われたら、
これじゃぞ?」
兎耳お爺ちゃんが、
両手で自身の首を絞めようとしているから、
そういう事なんだろう。
あれ?
これって、立場逆転した?
それとも、殺害される可能性が増した?
「もしかして、
商業ギルドに殺されますか?」
うん、ストレートに聞いてみよう。
なんか、ギルド長がいるみたいだし。
「その可能性もあるがね。
我々の利益になるか、それ次第だな。」
「……私、結構強いですよ?」
まだ実績は何もないけどね!
「ま、……を侮る程、私達は愚かでは無い。
必殺の確信が無ければ、動かないさ。」
「そうですか。
それで、仕事は貰えるんですか?」
そう、今の俺に大事なのは、
納屋へ泊まる宿泊料なんだよっ。
「数日、考えさせてくれ。
連絡する為に、
宿泊する宿屋を教えてくれ。」
やだー。
露骨にこっちの居場所を聞いて来たよ?
まぁ、連絡取れないと不便だけどね。
「そうですね。
リーンさんに直接お願い出来ますか?
アフマンさんや白黒のメンバーでは無く。」
アフマンさんには内緒だから、
冒険者パーティ白黒のメンバーに、
言われるのも良くないと思う。
それに、巻き込む人間は多い方が、
安全は増すと思う。
「リーンさん、
次にフェーズヒに立つのは何時だね?」
「明日を予定しております。」
リーンちゃんも相手がギルド長だからか、
丁寧な話し方になっている。
可愛い!
「そうか。
ならば、リーンさんが帰って来てからにしよう。
皆の者、それで良いな?」
「「異議なし。」」
商業ギルドは、合議制らしい。




