Generalmajor der NVAさんから。禁断の接吻(フォービドゥン・キッス)二次創作SS
部屋を照らすのはちびた蝋燭。他の手段では外のものに嗅ぎ付けられてしまうからだ。部屋の中央にあるのは何をどうして改造したのか掘炬燵である。そもそもの床形状を考えれば床の上に何らかで盛って形を作ったのであろうか。その中心には人間の世界から手にいれたカセットコンロ。そしてその上、土鍋が用意されている。そう、彼女らの目的は隠れて人間の食事をすることであった。
異形の者は大半が己の種の特異を誇りその様に生きる。しかし彼女らの様に人間の文化などに惚れ込んだりするものも僅かながらいるのだ。この場合惚れ込んだのはその餌である。具材にほどよく火が入りいよいよ食べ頃である。その中の一人がすくと立ち上がる。
「えー、明日に迫りましたネクロパ御姉様の帰還、その前祝いに本日は鍋会とさせていただきました。主催はわたくしヘレーネでございます。」
ささやかな拍手。外に漏れぬように細心の注意を払う。
「これまで、我々はひじょーに肩身の狭い思いをして参りました。しかし、明日には、明日こそ、我らが敬愛するネクロパ御姉様が帰ってくるのです。マザージュ御母様が目をかけておられる御姉様をもし味方につけられましたら、そのときこそ我々はこの狭い重から解き放たれるでしょう。」
三名のサキュバスたちは心の奥底に紅の焔を燃やして今この時を待っていたとばかりに覚悟完了と意気込んだ。
「それではそろそろ鍋も煮えて参りましたので、いただくといたしましょう。」
この三人の鍋会が『マザージュ御母様』に筒抜けであったということは、彼女らの知るところではなかった。
閣下こと、Generalmajor der NVAさんより、俺作品数が30に到達した記念にと、禁断の接吻にSSを描いていただきました。
もらったまんまを載せると言う俺の方針により、キャラネーム間違いはそのままにさせていただきました。
時系列としては、ネクロパが一星捜索中の時間軸のマザージュ城での話ですね。まさかの鍋 しかも掘炬燵でw
もしかしたら、二人が遭遇した時 一星が棒立ちしてたのは、実はネクロパを待ってたのかもしれない。そう思わせてくれる一幕。
閣下、どうもありがとうございました。