第15話 最後の大罪と最初の人化
この土日、忙しすぎる!
(マスター、今回の大罪スキルの確認をしますがいいですか?)
あ、ああ頼む。
(はい、今回覚醒したのは【色欲】、【傲慢】です。これらの能力は【色欲】の欲塗れの肢体は対象の完全魅了です。これを使えば対象を意のままに操れます。【傲慢】の堕天は対象を自らの配下に加えることが出来ます。これは対象に低確率で抵抗されますが、成功した場合対象の能力を増加させます)
なるほど、確実にするなら【色欲】で強くしたいなら【傲慢】か、憶えておこう。そういえば【嫉妬】と【怠惰】はどう言う効果だ?
(そういえばそうでしたね、【嫉妬】の羨望の眼差しは対象のスキルの一定時間使用不可、そしてステータスを激減させます。怠惰の無気力な日々は自分が何もしていない間ステータスが上昇し続けると言う効果です。ですが今のマスターは多忙、ですのでスキル「分身」もしくは「分裂」を手に入れるまでは使いにくいでしょう)
ふむふむ、じゃあ【怠惰】の方は今は置いとくか。さっき、最深部に行けるって言ったよな。
(はい、マスターのステータスは現時点でルフォスの全生命体の中でトップクラスです。マスターなら最深部のあの魔物も倒せます)
じゃあ行きますか。…えぇとなんて呼べば?
(アテナでお願いします)
わかったアテナそれじゃあ気を取り直して行こう!
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ここが最深部………。俺は太い幹の木で覆われた森を見渡しながら心の中で呟いた。
ここで質問、ここからその魔物までレーザーを撃ったら届くか?
(チャージ時間を減らせば良いですが先程のようにフルパワーだと消し飛びます。ですのでチャージはこちらで行います。マスターは魔導の準備を)
わかった。チャージ開始………(今です!) もう? まあとりあえず「レーザー」。
その瞬間、先程の光程ではないが閃光で視界が埋め尽くされた。
やったか?
(はい、直線上に居た魔物23体を倒しました。それによりレベルが420になりました。ですが最深部の魔物は倒してません。木の消えたところを歩いてください。目的地に着きます)
了解。にしてもこれを繰り返しやればレベル上げ放題な気がする。
~7分後~
かなりの距離を歩いた気がするが森に比べ移動しやすい。しばらく這っていると奥の方に巨大な樹が見えてきた。その樹の幹は黒く、太さが10メートルは軽く超えるほどで、高さは高層ビルほどもある。
(マスター、あの樹です。あれがこの森での最も強い魔物です)
あれが魔物?あんなが最深部の魔物か。とりあえず「鑑定」。
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モンスター名 大罪を持ちし黒長老木人
レベル236(236/300)
状態 健康
体力 500000/500000
魔力 100000
攻撃 10000
防御 200000
敏捷 0
魔攻 30000
魔防 150000
運 56
スキル
光合成 レベルMAX(10/10)
土魔法 レベルMAX(10/10)
蔦攻撃 レベルMAX(10/10)
称号
ジャナの森の主
大罪の種(1)
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これはすごい、ひと昔前の俺だったら瞬殺だっただろう。しかし敏捷が0だな、ウリエルが昔一歩も動かないと言っていたのはこういう事だったのか。
だけど、今の俺ならこいつを頭一つで倒せるな。
(マスター、解析した結果この魔物には光魔法系統の魔法もしくは魔導が効きません。ですのでここは別の属性の魔導で倒しましょう)
わかった。じぁあ木といえば炎。アテナ、爆炎魔導でいいのはあるか?
(でしたらこの魔物には爆炎魔導の「煉獄の業火」がいいと思います。この魔導なら広範囲を一気に燃やせます)
わかった。トレントさんよ、もしかしたらあんたは正々堂々正面からバトルしたいだろうがこっちはめんどくさいんだ。
だからさっさと終わらせるぞ。
「煉獄の業火」!
その瞬間、エルダーダークトレントの体が巨大な火柱で覆われた。
火柱は蒼く、温度が高いことが伺えた。
(「煉獄の業火」の中心温度は摂氏100000度を超えます)
まじか、この中で生き残れるのがいるのかな?
火柱はそれから10秒程で消えた。もちろんそこにトレントはおらずむしろ土がガラス状になっていた。
これは酷い。
(称号 大罪の種を手に入れました。………種が芽吹きました。《大罪スキル》【憤怒】を入手しました。【憤怒】【傲慢】【嫉妬】【怠惰】【色欲】【暴食】【強欲】を確認しました。称号【大罪を揃えし者】を入手しました。これにより神格が上昇します。神格が【拾壱】になりました。レベルが上がりました。レベルが最大になりました。スキル「神化」を入手しました)
ふぁ? よし、一回落ち着け、
こんなこと俺には日常茶飯事じゃないか。
アテナ、順番に説明してくれ。
(はい、 まずは《大罪スキル》の説明ですがこのスキルの効果で今使える物は魔素集積炉となります。効果はこの世の空気中に存在する元素「魔素」を体内に吸収し、ステータスに変換することが出来ます。
次に称号ですが称号の中には入手することで神格を上げることが出来るものがあります。【大罪を揃えし者】もその一つです。この称号に効果ですが、大罪スキルの効果を大きく上昇させる効果があります。例えば【強欲】の能力強奪での漏れが少なくなり、【暴食】でスキルが奪えるようになるなどです。
最後にスキル「神化」ですがこれは進化の代わりです。効果は対象の神格を壱段階上げることが出来ます)
ありがとう。にしても【憤怒】の効果はすごいな。何もしなくてもステータスが上がるとか。まあいいや、これからは《大罪スキル》も揃え終わったことだしあいつのために帝国に行きたいところだが。アテナ、帝国に俺以上の強さのやつはいるか?
(………いるようです。帝国の最高位「皇帝」の神格は【伍】です、これが帝国一強と言われる所以ですが他にも人ながらにして神となった「現神」が多くいます。いまのマスターではきついでしょう)
わかった。じゃあレベル上げて神化して最終的に【壱】にでもなるか。
そのためにもまずはジャナの森を焼き払うか。
(………あまりお勧めしませんがそれが最も効率的でしょう)
だろうじゃあまずは神化するか。
(そういえばマスター、言い忘れていましたが「擬人化」出来ますがしますか?)
………ファ?
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アテナにそう言われた俺はもう一度ステータスを見た。
すると【多頭乃蛇神】の所に確かに
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【多頭乃蛇神】
|-並列思考
|-【ヒュドラの毒】
|-擬人化
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そういつもならある(使用不可)が書いてなかったのである。
よし!これで俺も人になれる。早速使おうとすると目の前に光る板が現れそこには。
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素体確認………
確認しました。
素体を選択して下さい。
(足立 研) (ランダム)
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その板には名前が書いてあり、これを押すと決定になるらしい。ちなみ再設定は不可だそうだ。
ランダムはその通りランダムに決定するだろう。だけど俺は足立の仇討ちをしなければならない。そのためにもここはこちらを選ぶべきだろう。
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素体(足立 研)が
選択したされました。
よろしいですか?
(YES) (NO)
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もちろんYES。
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選択しました。
これより肉体の構築
を始めます。
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その瞬間、俺は眠りに落ちた。
それでは皆さんヘビーな週末をお過ごし下さい。