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ザッツ魔眼!  作者: マニューバ
どうやら俺には隠れた力があったらしい
7/8

7話 期末テスト

ガチャってなんか脳内麻薬出ますよね。でも課金してまでやったらヤバいよ。

(おはよう。今日のめいんうぇぽんは…)


 起き抜けにドアップでめいんうぇぽんの話をするのはデフォルトなのか。最近ではもう突っ込む気もなくなってきた俺は死んだ目でリールを見ている


「ヂー」


…今日当たったのは「予見眼(SSR)!」だった。


一瞬テンション上がった。レア度も高いし、普通に考えたらチートだが、いつも通り役に立つ気がしない。しかも毎回取説がないので使い方が全然分からない。名前の通りなら、未来が見えたりするはずなんだがな。


 いつも通り電車に乗ると、天使様もテスト週間なのか単語帳らしきものをめくって勉強していた。真剣な顔も可愛くて癒される。俺?電車の中ではチラ見が大事なので勉強はしませんよ。昨日の夜までで戦いの準備は終わっているのです。


 今日のテストは古典、数学Ⅰ、現代社会の3科目だ。どちらかと言えば文系の俺にとってまずまずの時間割かな。


 1限目、古典のテストが配られる。名前を書く。すると「ピキーン」と予見眼が働き…ビジョンが見えた。ティナ曰く、その瞬間、俺は古典少女漫画風に白目を剥いていたという。


ビジョンで見たのは、裏返しになった回答用紙を後ろから集めていく中、後ろのヤツが名前を書き漏れていることに気付く…というシーン。


知ってて見捨てるのも何だが、テストが始まった今、どうやって伝えろと?うーんうーんと気になり、なかなかテストに集中できなかった。

(ちなみに、テストを集める時に「名前忘れてるぞ」とさりげなく教えてやった。ちょっと感謝された)


 2限目・3限目は特に事件なし。どう考えても答えが思い出せず苦しんでいる時に、ティナから(ヒントあげようか?)と悪魔の囁きをされたぐらいかな。


ヒントは…思わせぶりながら役に立たず、結局空欄だった。最後にはボソッと(チートよくない)とか言われて机をひっくり返しそうになったけどな。



テストは午前中で終わり、教室を出る。すると階段を降りている途中、唐突に「ピキーン」とビジョンが見えた(でも階段降りてる途中の白目は危ないと思うの)。メガネをかけた女の子が降ってくるというビジョン。


さっきのテストを見ても、予見眼は未来を見通している可能性がある。これは是非ともメガネっ娘を慎重にお迎えしたいところだ。


(今は踊り場に立っているが、もう少し上の方が良いだろうか?ラッキースケベの可能性はあるのか?)とか悶々と考えているうちに帰宅の波はまばらになってくる。


(ビジョンの出来事が起こるのは今日じゃないのかもな)


とぼーっと立っていることにバカらしさを感じ始めた頃、階段を降りてくる足音が聞こえてきた。


「タシ…テシ…」


今日のテストの出来が悪かったのか、元気ない足音に思える。


俺の教室がある 2階にさしかかり、更に俺が立っている方へクルリと向きを変え降りてきたのは、メガネをかけたビジョンで見た女の子だった。


考えごとをしているのか、俺のモブ力の高さか、全く俺に気付かず階段を2段ほどおりかけ、ハッと俺に気付き、動揺のまま足を滑らす。


タイミング悪く、話しながら階段を降りていた男子の身体に押され、顔面から落ちそうになるメガネ女子。


待ち受けていた俺はすかさず彼女を支えようと移動し…ブベッと無様に下敷きになった。今回はおっさんじゃなくて良かった…と喜ぶ余裕もなく、意識は暗転した。


「うっ…。ここ…は…?」


「保健室よ。初めてね。1年生君。」


まだ頭がボーッとする。俺の返答を待たず保健室の先生は一方的に喋り掛けてくる。


「そう言えば、女の子の尻に敷かれたんだって?」


はっ?そう言えばラッキースケベ…じゃなくてあの子どうなったんだろ?先輩だよな多分…。


「あの子は、ごめんなさいと謝ってたわよ。待っていても仕方ないからと帰ってもらったけど。」


俺の考えていることを察したのか、先生が解説してくれた。まぁ無事なら良いか。…それにしても最近よく俺ぶっ倒れるけど大丈夫なんかな?


帰宅後、明日のテスト科目のおらさいをしていると、ティナが呟いた。


「イギリス…アメリカ…排他…主義。格差と閉塞感…。歴史は…やっぱり繰り返すのかも知れないね。宿主は…日本にいて…大丈夫かな…。」


そういえば、さっきからモニターらしきものを見つめてたけど、あれネットにでも繋がっているんだろうか?いや、それより何を調べてるんだ?


(勉強の邪魔だった?定期的にシミュレーションするために、パラメータとなる情報を色々な角度から入力してるんだよ。)


(何の…シミュレーション?)


(モブい宿主は油断すると段差でも死ねるから、色々と命の危険を避けていかないといけないんだ。ホントにナローパスだよね。)


「ナローパス?俺の命の道、そんなに狭いの?!」


いやそれより、今日の階段事件の方が命の危機だったような気もする。

本来凄い機能のハズが、主人公のモブ補正のせいで微妙な結果しか生まないという…。多少のフラグ建築能力だけはあるらしい。

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