紅魔館のお手伝い⑥
皆さん良いお年を!
とりあえず、近くにあったタンスに隠れる。正直こんなところに隠れては、すぐ見つかる気しかしないけど、そこはなんとかするしかない。
真っ暗闇の中、物音を建てないように縮こまる……………………………。
しかしこれでは解決策にはならない。外に魔理沙が居る以上、出たら見つかる可能性の方が高いからな。どうしたものか……。
俺はおもむろに、自分のスマホでインターネットを開いた。
今、金髪魔女ん家のタンスに隠れてるんだが……
1:名無しの妖怪さん ○月〇日14:32:05:03 ID:byakuyann56
どうすればいい?
2:名無しの妖怪さん ○月〇日14:32:05:07 ID:magatoroa77
死ね
3:名無しの妖怪さん ○月〇日14:32:05:08 ID:ptyuriiii15
死ね
4:名無しの妖怪さん ○月〇日14:32:05:09 ID:kappanito63
死ね
5:名無しの妖怪さん ○月〇日14:34:37:51 ID:kyubiokit33
お前ら、>>1になんの恨みがあるんだ…
な、なぜだ。立てた瞬間死ね死ねコメントが……怖いのでこのスレはこのまま放置しておこう。
とにかくここから出る算段を立てなくては。ただ、外の様子が見えないし、バレるのも時間の問題だが。
ひっそりと……声を殺して……息もなるべくしないで……。しかし。
ガチャ!
普通に開けられてしまった。
「何か言うことは?」
「……すいませんでした」
結局、普通に開けられて魔理沙に捕まってしまった(縄でぐるぐる巻きな上、天井から吊るされている)。咄嗟に「キャー、の○太さんとエッチー!」と叫んでみたものの、ゴミを見るような目で見られた以外効果はなかった。
「ったく。まさかお前がドロボウとはな。いくらなんでもそこまではしないやつだと思っていたのに」
もしかして、惨めなやつだと思われてた?そんな偏見を取り払うためにも、事実を話そう。
「ドロボウじゃない、押収だ。パチュリーに頼まれた」
「パチュリーに……?」
少し考えこむ魔理沙。
「なるほど。どうせ、私に盗られ……おっと。借りられた本を奪え返してこいとか、そんなとこだろ?」
「大当たりでございます……」
「やっぱりな」
ふんすと鼻を鳴らし、下から見下される。威張るのかそれで。
「なあ、縄ほどいてくれよ。本は返すからさ」
「ほどかないぜ。不法侵入に盗難か……いったいいくらで割に会うのか」
ニヤニヤと悪い笑みを浮かべる。その顔は、とても似合っていた(悪い意味で)
「……分かった、分かったよ。手伝いでも何でもするから、解いてくれ」
「ほう……」
魔理沙の瞼がピクピクっと動く。これは、魔理沙が悪い事を考えている時なるもので、これから碌でもないことを巻き込まれることを表していた。