紅い館のお手伝い④
蛇依頼との事で、魔理沙の家までやってきた。目的は、盗まれた魔道書の確保、及び運送。邪魔が入った場合には、多少交戦してもいいそうだ。俺の弾幕が、久々に唸るぜ。
だが、基本戦闘は避けたい。弾幕だと多分。というかほぼ勝ち目がないし、たとえ勝てたとしても素直に本を返すとは思えない。
となるとやることは、あいつに見つからないようにこそこそと奪うという事になる。
さて、どこから入ろうかな。正面玄関はまず選択肢にないから、窓からか何か隙間から入ることになるが……。
家をぐるりと回ってみるも、入れそうなところは特にない。これは正面突破か?
「……開かねぇ」
ゆっくりドアノブを回すも、カチャカチャ音を立てるだけで回らなかった。留守なのか?
一応、窓から中を確認してみる。……魔理沙の姿は見えない。たがしかし、トイレとか寝室で寝てるとかそういった可能性もある。細心の注意を払わなければ。
「でも、入れないんじゃな」
窓割るわけにも行かないし 、ドアの鍵を開けるようなキーピックの能力なんてないし、どうしたものか。
「……あ」
屋根の方に煙突があった。幸い、煙は出ていない。
「帰ったらちゃんと身体を洗おう……」
ススだらけな自分を想像しつつ、煙突に入る。こんな時ばかり、以外と小柄な俺の体が幸をなすなほんと。
しかし、大事なことに気づく。
「……これ、降りた先に居たら見つかるじゃん?」
行く先も見ないとか、侵入の任務としてありえないじゃん。見つかったら絶対任務失敗じゃん。
どこかの先生のごとくじゃんじゃん考えていたが、すぐに下が見えた。
「ザ・ワールド!!!!!」
そんな能力俺にはない。
「……タイムアルター……トリプルアクセル!!!!!」
できないし、早く動けても見つかるもんは見つかるじゃん。
「……うむむむ……ええい!!!ままよ!!!」
結局とった行動は、運任せであった。
下に降りてすぐに辺りを確認。……誰もいない、良かった。「なんでさぁぁぁ」とかいうハメにならなくて。
というわけで、パチュリーから貰った霧雨魔法店構内図(何故か持っていた。何故か)を片手に、探索を開始した。