堕落した女神の谷間からとんでもないものが!
真央を引き取った俺。そして金髪さんは何故か俺の部屋に入り浸る。
真央がうちに来て一ヶ月あまりが過ぎた。
海外旅行から帰ってきた両親は最初の数分は驚いていたが、速攻でなじんだ。
妹様は既に「戦艦」で顔合わせしていたので大きなトラブルはなかった。が。
その「戦艦」の機能に不満を抱いている様子だ。
妹様の場合、転送が可能なのは、今いる場所と「戦艦」の間だけ、自由に座標を指定して「転送」は出来ず、つまり無料で海外旅行!と意気込んでいた計画はおしゃかに。
変なところで律儀なシステムが働いている。
それでも大量の荷物を持ち運ぶ必要が無くなったのと、わざわざ宿を取らなくても良くなったと喜んではいたが。
ちなみに「戦艦」にある個室は独房みたいな感じだが、寝るだけなら文句はないそうだ。
余談だがどこかの国に赴いた際、腐ったトタンを三角に組み合わせて、地面にござ一枚敷いただけの「コテージ」に日本円換算で一泊数千円取られたこともあったとか。当然メシぬき。
あとでえげつない仕返しをしたというが、内容は聞かないでおこう。
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「それで金髪さんは、どうして俺の部屋でくつろいでいやがりますか?」
人のベッドを占拠し、積みラノベを片っ端から読み散らかす金髪乳尻女神。
アニメTeeにホットパンツ、縞ニーハイというラフすぎる格好。
人の買ってきたドクーペを飲み、ババア印のクッキーをむさぼる。
両親はこの女神を俺の幼馴染だという。何か変な力でも使って誤認識させているのだろうか。
中身さえ知らなければ、げへへ、お嬢さんいいケツしてまんな!となるのだが。実際イイケツなので困るのだ。
真央とお嬢様はままごとに興じている。世界屈指の巨大組織を持つウサギ一族の人形で。
真央さまはお嬢様に何かの儀式の方法を伝授している。あはれなウサギ人形は祭壇に見立てたテーブルの上に寝かされ…。
「この主人公は本当にヘタレさんですね!いっそのこと襲ってしまえばいいのですが!」
と、読み終わったラノベを適当に積み直し、人の心を読んだかのような感想を漏らす金髪さん。
「そうでした!」
金髪さんは目のやり場に困る谷間ゾーンから、封筒を取り出し、俺に差し出す。
「これは?」
「実はあなたさまの力が上層部の知るところとなりまして。申し上げにくいのですが、死ぬか協力するかの二択だそうです」
さらっとひどいことを言う。
封筒の中身を要約すると神器を返却、つまり廃人になるか、報酬は出すから協力するか。
この「だめ金髪」が一人で任務達成できるわけがないと上から詳細な調査が入り、勇者であるエリーシャがびびってしゃべってしまい。またもらしてなければいいが。
一応任務は完了しているのでお咎めはないそうだ。
「廃人になるのは勘弁な!して、報酬とは」
いや、なぜそこでもじもじするの!
二枚目に衝撃の内容が。
「任務中は女神を同行させ、好きに使っていい?」
どう見ても厄介払いじゃないですか!それ以外にもほしい物があればなるべく聞いてくれるそうだ。
僕が同意するしかないのは既にわかっていたようで、三枚目に任務の内容が書かれていた。
「とある堕落した世界に混沌を振りまいてください」
ん?と真央が顔を上げた。
最近は「ひめたべ」の更新で手一杯でしたが、何とか再開できそうです。