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元勇者の魔術師 人助け放浪記  作者: 玉蘭 色彩
本編
8/8

六話「ラミアの少女 サラサーシュ」


 ウルボノシアの教えを守る教会へとやってきた。


 教会も例に漏れず木造であり木にこだわる理由があるのだろうと二人は話し合いながらやってきた。

 基本的に誰でも入ってもよいというのが教会である。遠慮なしに内部へと足を踏み入れた。

 教会内部は、中央の通路を起点に等間隔に長椅子が並んでおり、真正面にはステンドグラスとオルガンが配置されている。ステンドグラス前の祭壇には己の尾を噛む蛇の像と円環のシンボル。

 静謐な気配で満たされた場所へ、魔術師とカラスが敷居を跨いだ。

 無人であった。信者が祈りを捧げているでもなく、オルガンを演奏するものがいるでもない、誰一人存在しない。


 イルは正々堂々長椅子に腰かけステンドグラスを鑑賞し始めた。

 すぐ横にラトリアが腰かけるも、浅くお尻を乗せていた。


 「芸術とか宗教とかわからんが―――高そう」

 「清々しいまでの俗物な発言を教会で口に出せるとは肝が据わっておられる」


 芸術的、あるいは歴史的価値を金貨で判断してかかる男を揶揄するカラス一羽。

 魔術師は手をひらひら振ってからフードを払った。


 「芸術だ宗教だ大抵金で解決できるからな。魔術も金で魔術師雇えば済む。愛も金で買えるらしいぜ、ただ買える愛を罠と呼ぶらしいが……金って概念を考え出した稀代の天才はどこでどうしてくたばったんだ。本になってたら読みてぇ」


 おかしな言い回しにラトリアが噴出した。口を押え、肩を揺らす。


 「金に恨みでもあるのか、あるじ様」

 「あるとも! 俺の家は商人だった。詐欺られて一文無しになりかけた時なんざ本当に――」


 イルが金と商売について持論を述べようと両手を広げたところで、訪問者があった。正確には帰ってきた、である。

 数冊の本を小脇に抱えたサラサーシュが扉を開け、長い胴体をうねらせて、するりするりと床に擦れる音を立てて教会の中に入ってきた。

 イルは一瞬フードに手を伸ばしかけたが、被ろうとはしなかった。身分がばれるようなことはあるまいと。その油断に付け入るかのような言葉が耳を叩く。


 「先ほどの方ですね。……貴方は……イル=シュタインさまでしょうか?」





 イル=シュタインは己の失態を呪った。フードを被ってさえいれば気が付かれない。フードを被っていなくても異種族が集合するラミアの里なら発覚するはずがないと油断していた。

 一拍置いて、イルは機械的に笑みを作り、首を横に振った。

 勇者として名を馳せていたことを確認されたら面倒なことになる。

 あくまでイル=シュタインはしがない魔術師アトレイユでなければならない。


 「答えとして、いいえを提示しておきましょう。私はアトレイユです。外見が似ているとよく言われますが、よく見てください。似てますか?」


 イルは悟られぬように認識をずらす魔術を作動した。例え見慣れた人でも、見たことのない別人に見える幻覚の一種である。

 指先に纏わせた魔術を顔の前に持ってくると、指さす動作と同時に展開する。会話しながらの無詠唱魔術。一切の発光や音を生じないテクニカルな隠蔽手段であった。

 術は相手に対して完璧な隠ぺい率を誇っていた。故に、二重の意味で油断していた。

 教会の天井に設けられた無数の蛇の彫刻の瞳に光が宿るや、鎌首をもたげ舌を伸ばした。

 ごく単純な受動魔術。こんな教会に魔術的な備えがあるはずがない。彼女にさえばれなければよい。油断が探知されることを招いた。

 魔術は確かに発動してサラサーシュの意識からイルを除外して別人に思わせただろうが、サラサーシュが天井を見上げて術の作動を悟ったことで灰燼と化した。

 サラサーシュはぱっと目を輝かせ両手を胸の前で組んだ。


 「やはり! いま、術を使われましたね!」

 「何? ……アッ糞! 俺としたことが」


 イルはぽかんと口を半開きにしたが、すぐに天井を見上げ自身の失敗を悟った。

 本当に人違いなら魔術で誤魔化す必要がない。首を横に振るだけでいい。わざわざ魔術を使って誤魔化しにかかるのは事実の隠ぺいに他ならないのだ。

 ラトリアがやれやれと首を振った。足を組み、そっぽを向いた。

 イルは術を解除すると、髪の毛を乱暴に掻いて、キッと眼力を強くサラサーシュを視界の正面に捉えた。席を立ち、直立不動を取る。


 「―――……はぁ~あ……間抜け間抜け間抜け……そうさ。俺の名前はイル=シュタイン。ご高名な勇者一行の魔術師。ほかに質問は?」

 「あぁイルさま!」


 サラサーシュの目がキラキラ輝く。今にも縋り付きそうな勢いであった。

 憧憬、尊敬、云々。目に見えてわかる感情の急上昇にイルは顔を背けた。 散々各地で向けられてきた表情もとい顔面の筋肉の動き。魔術師と勇者を高等なものと考えさえいない男にとって苦痛に等しい。

 イルは手を横に振ると、ため息を吐いてフードを払った。


 「サラサーシュちゃん。どっかで会った?」

 「はい! 王宮でお目にかかりました」

 「王宮か。俺が群衆に囲まれて英雄だなんだ言われてた時に見てたのかよ」


 魔王を下し魔物の門を封じることに成功したイルは栄誉を与えられた。最初の勇者である男と槍兵を失い、弓の勇者の二人だけで受け取ったのだ。やんややんやと騒ぎ立てる大衆たちは勇者を称え拍手喝采で出迎えた。

 友人二人を失ってしまったというのに、貰ったのは栄光と高貴な身分だけ。


 あの時の憤りたるや計り知れぬ。


 「はいっ! あ、申し遅れました。サラサーシュ=ハーデント=ラノンと申します」

 「イル=シュタイン。魔術師だ。君はラノン(司祭)の一族出身か?」


 胸に手をあてて頭を下げるサラサーシュへ、自身も軽く頭を下げ名乗る。


 そして記憶を頼りにファミリーネームの後ろに付随する階級名について尋ねる。ウルボノシア教では階級を定めている。ラノンとは司祭を意味する。フルネームを聞けば大まかの地位がわかる仕掛けである。

 サラサーシュは意外そうに眼を見開いた。


 「はい。よくご存知ですね」


 追憶。

 弓兵は言っていた。


 「我らはしょせん使い捨てなのだ………か」

 「? 何か……?」

 「なんでもねぇよ。とにかく、そんときに俺の顔をばっちり覚えてたってことだよな。記憶力に自信があるようで」


 サラサーシュがきょとんと瞬いた。

 イルは困り顔で後頭部を掻くと、何気なくステンドグラスに視線を固定させた。


 「それで俺に何か用かい。魔術の講釈だとか魔王をブッ倒した話が聞きたいなら大学の教授でも捕まえてくれよ」

 「いえ、人助けの旅に出ておられ……」


 ステンドグラスを十分堪能した。目線をサラサーシュにやる。

 彼女は下半身を巧みに操り身長をほぼ同じ位置に調整していたため、視線は水平となる。

 イルは人差し指を振ると己の肩を叩いてみせた。


 「堅苦しいのは抜きにしようぜ。昔からの友人みたいに話してくれや。俺の肩が張って苦しい」

 「しかし」

 「サラ……でいいかい?」


 サラサーシュは砕けた会話をしていいものか迷っているようだった。両手を合わせてもじもじと壁や床を見て、時折イルの顔を窺う。


 自分には関係ないとばかりに長椅子で安楽姿勢のラトリアは―――関係ない風を装っていた。ちらちらと不定期に二人の方角に目を向けていた。

 偶然、サラサーシュとラトリアの視線が合った。カラスとラミアの対面。数秒の気まずい沈黙。

 サラサーシュは観念したのか、おずおずと頷いた。


 「うん。サラでいいよ。イル……君は人助けの旅をしてるんで……だよね?」

 「ぎこちねぇな。その通り」


 イルは嫌な予感がした。

 口ぶりからして妙なのだ。勇者一行の魔術師という肩書きをありがたるのではなく、人助けの旅云々について質問してくるということは、ほかに考えられる余地がない。

 ステンドグラス側、祭壇へと足を進めていき、蛇の像をじっくり鑑賞する。

 ラトリアは興味を隠しきれないと言ったように、一見無関心を装い腕を組みそっぽを向いていたが聞耳を立てていた。

 イルはかつかつ鳴らしていた靴を打ち止めとし、振り返る。すぐそばまで歩いてもとい張ってきていたサラサーシュと顔が会った。


 「実は助けてもらいたいの」

 「なんでもいたしましょうとも」


 土木工事でも離婚調停でも! と心の中で言葉を漏らすにとどめ、演技臭い仕草で両腕を水平に伸ばしてみせた。

 サラサーシュは、イルの動きがおかしかったのか口元を軽く押さえ頬を緩めると、続いて自分の体を指差した。


 「私、白いよね」

 「白いな。それがどうした」

 「白いラミアはね、不吉な証なの」


 イルは、衣服が隠し切れない白い下半身を見遣った。雪のような滑らかで真っ白な鱗に覆われたうねり。髪の毛や肌もかなり白に近い。だが、それがどう先の話と繋がるのか理解できずオウム返しした。

 サラサーシュはイルが問題点を理解しきれていないのを悟ると、こほんと可愛らしい咳払いをした。


 「白いラミアは……特に私のようにラノン(司祭)の地位の者にとってはまずいの。殺してしまえとかじゃないんだけど……とある聖地に赴き儀式を済ますべし……って掟があるんだよね」

 「読めたぜ。連れて行って欲しいンだな。いいとも、お連れしましょうとも」


 ぽむ、とイルは拳を打つと、あっさり頷いた。


 「うん。ダメ…………えっいいの?」


 断られるに決まっている。

 先入観に囚われていたサラサーシュは、言いよどみ、ぽかんと口を半開きにしたが、雪が春風に溶かされるように順を追い歓喜を顔に浮かべた。

 次の言葉が継がれる前にイルが言った。


 「場所も大まか予測できてる。砂漠の奥底。全てを飲み込んでしまうような砂の海の果て。かつてラミアの神が創造したという神殿………」

 「ご存じなんですか!?」


 イルは目を閉じすらすらと詳細を述べて見せた。出まかせではない。知っていたのだ。

 サラサーシュが前のめりとなりイルの顔に急接近した。イルはそれとなく肩を押して距離を取ると、あっけからんと語った。


 「親父と観光がてら冷やかしに行ったことがある」







 「しかし酷い話だよな」


 イルはとある飲食店でキノコのソテーをぱくつきながら言った。


 木造。カウンター席とテーブル席。天井と壁にかかったカンテラと窓から差し込む太陽光線が絶妙なバランスを醸し出している。店内はにぎわっていた。ラミアやリザードマンに獣人に国際色(?)豊かな種族の坩堝。

 煤けた机の上には各種料理。机を挟んだ向こう側にはラトリアが腰かけていた。

 イルはキノコを口の中に放り込むと、水と共に流し込んだ。目線を上げラトリアを見遣る。彼女も料理を口に運んでいた。


 「確かにな。あやつ……」

 「サラサーシュちゃんな」


 イルがさらりと補足を加え、ついでに炒め野菜を口に咥える。しゃきしゃき歯ごたえが顎に楽しい。油の量が多く舌に絡み付くも、エネルギーを必要とする成人男性のイルにとって造作もないこと。咀嚼し、嚥下する。

 ラトリアはふむんと喉を響かせ話を続けた。


 「………サラサーシュは、わざわざ儀式と称して砂漠の神殿に赴かねばならないのだろう? 例え砂漠の民を案内役につけたとしても―――……」

 「死ぬ可能性はあるわな。ようするに通過儀礼だなんだと言いつつ選別しにかかってるように思える。白いラミアは不吉か……たーだ肌が白いだけじゃねーか。俺なんざ褐色だ。とある地方には真っ黒な肌の人間もいる。東の方じゃ黄色がいるらしいぜ」


 イルは己の褐色の肌と白い髪という特異な組み合わせを指で示して見せると、最後の料理を口に放り込んで食器を置いた。とっくに食べ終わっているラトリアは暇なのかコップの水をちびちび飲んでいた。

 ラトリアが机に頬肘つくと、倦怠感溢れる目つきをした。

 机の上には皿が山を成していた。それは主に魔術師が平らげた残骸であった。


 「よくもまあ食うものだ。牛のようだな、あるじ様」

 「食えるときに食う。飲めるときにたらふく飲む。砂漠の民の常識だ」


 美味かったと口元をナプキンで拭うイルへラトリアが簡潔に言葉を投げた。


 「ここは砂漠ではないが」

 「………意地が張ってんだよ言わせんなこの野郎。さてと。飯は食った。のんびりして、準備整い次第砂漠を目指すぞ」

 「うむ」


 二人はお代を置いて店を後にした。





 出発のため馬を調達しようということになった。

 イルとラトリアとサラサーシュは準備を終え里の外に位置にする町にやってきていた。


 荷物は一通り揃え軽い休息を取った。残るは馬の調達である。何にしろ一頭は購入する予定だったのである。

 ラトリアに関して言えばカラス状態ならば肩にでも乗っていればいいのだが、サラサーシュはそうは問屋が卸さない。何せ人間より遥かに長い脚部もしくは胴体を持つのである。馬の上に乗せきれるのかという問題が浮上した。


 「厳しいな……」


 問題となったのはラミアであるサラサーシュであった。

 イルが馬の前に跨ぎ、サラサーシュが後ろにへばりつく――のだが、蛇の下半身が馬の背中に乗り切らず下に垂れている。

 馬には乗らず傍らの地面に立つラトリアが一周ぐるりと検分して唸った。サラサーシュの下半身が馬から盛大にはみ出て地面を擦っている。彼女は両腰に手をつけ頷いた。


 「うむ、これでは引き摺るな!」

 「だろうな。サラ。ラミア族はどう馬に乗ってるんだ?」


 イルは参ったなと頭を掻いた。

 馬は人間が乗るには都合いいが、ラミアのような足が違う構造の種族にとって厄介な代物であると認識した。

 サラサーシュは唇に指を当ててうーんと喉を鳴らすと、上半身を捻るようにして見つめてくるイルに、ジェスチャーを持って情報を伝え始めた。両手を水平に広げるような仕草。


 「こういう感じのお盆みたいな鞍をつけて乗るの」

 「なるほど。安定性悪そうだな」


 イルの脳裏に馬の背中でとぐろを巻いて不安定なまま手綱を駆るラミア族の想像図が浮かび上がる。

 お世辞にも安定的とはいい難い。

 申し訳なさそうにサラサーシュが俯いた。


 「うん。だから私たちは馬車を馬と一緒に買ったりするんだけど………私は使えるお金がないから……ごめんね」

 「ちなみに俺もコイツのお陰で空っぽだったりするんだなこれが」

 「ではどうするのだ、あるじ様よ。馬の胴体に巻き付かせるなどと申すまい」


 イルが深く考え込んだ。馬の背中を撫でて毛づくろいをしている。

 金銭が豊富にあれば馬車でも購入して牽引させればいいが、無い物ねだりである。働くのも面倒だった。盗むのは論外だ。作るにしても技術も資材もなかった。

 その時、サラサーシュが手を挙げて二人に疑問を提出した。


 「ラトリアさんはどうするの……ですか?」


 二人乗っただけでいっぱいいっぱい。三人目であるラトリアが乗れば馬が足りなくなるのは当然の理である。

 疑問に答えるべくラトリアがサラサーシュに近寄って声を落とした。


 「いちいち丁寧にならんでも構わんよ。実は隠していたことがあってな……私はカラス族なのだ。変化してあるじ様の肩にでも乗ればよい。騙していてすまなかった」

 「そう………」


 サラサーシュが神妙な顔をした。敵意でも好意でもない微妙な顔。渋い顔というのが近い。

 ラトリアは、片手を差し出し握手を求めた。皮肉や冷態な態度はなく、胸を張った自信にあふれる態度にて。


 「ウルボノシア教ではカラスは悪魔の遣いらしいな。握ってみるがよい。後で羽も繕わせてやろう。酒でも飲めれば幸いだ。付き合ってみてから判断せよ」


 サラサーシュは逡巡して宙に視線を彷徨わせたが、やがてラトリアの手を握って微笑んだ。ひまわりのような笑顔ではなかったが、純朴な野花のような笑顔があった。

 何事だろうと馬屋の店員が無遠慮な視線を送っていたが三人は気にしなかった。


 「よろしくね。ラトリア」

 「おうとも」

 「いいねぇ」


 イルがにやにやした。清々しい笑顔なのだが、生来の顔立ちのせいかにやけているようにしかとらえられないような表情であった。

 恥ずかしさを感じたラトリアが顔を背け頬を膨らませた。もとより素直でない性質ゆえに、素直な態度を相棒に見られたのが恥ずかしかったのだろうか。


 「異種族の対話ってやつか。嫌いじゃないぜ。……ってのはさておき、サラ、どうするんだ」


 馬に乗せきれない。乗れても安定性に欠ける。打開策はあるのかとイルが問う。

 サラサーシュがもじもじ指を擦り合わせてイルの背中に向かいて声をかける。


 「一つ案があるの。ちょっと我慢してね……も、もちろんイル君が良ければだよ?」

 「頭から俺をむしゃむしゃする以外なら甘んじて受けよう」


 イルは哲学する宗教人のように目を閉じた。どんとこい。

 馬がぶるると鼻を鳴らしサラサーシュの胴体が複雑にうねるのに擽ったそうに尻尾を揺らした。


 「うん。えっとね、私の足を……こうして……こう」


 サラサーシュは言うなり体を密着させた。下半身をうねらせイルの体に巻き付かせ、一周して自分の体まで戻ってこさせた。イルとサラサーシュは、サラサーシュの体でぴったり巻かれるような格好になっていた。

 イルは、体に伸し掛かるサラサーシュが案外重いことに気づいていたが、女性の体重や身体的特徴を口にするのはいかがかと思い直し胸の奥にしまい込んだ。

 代わりに艶々手触りの良い白い鱗を撫でておく。空いた手を口に当てて店の奥に声を張り上げる。


 「安定性もばっちりでいい感じじゃねーか。おーいオヤジ。この馬をくれ!」


 ラトリアは、俯いてぶつぶつ独り言を呟き始めるサラサーシュを見て、どこか不機嫌そうに鼻を鳴らした。


 こうして一行はラミアの里を経った。

 目的地は大陸に広がる『オリヘン砂漠』のどこかにあるというラミアの神殿へ。



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