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意外と見てない

作者:



味噌豚骨大盛りで。あ、麺は硬めで


はい、かしこまりました




ふぅ、つっかれたー


たく、やっと自由にできる。あのハゲ頭、いつもヘコヘコしてれば調子に乗りやがって!

そんな仕事の不満を胸に秘め、ラーメンを待つ





ふいに、後ろを女性が通った。俺のカウンター席の真後ろ、テーブル席に座ったみたい


…ちらっと見えたけど髪の毛サラサラだ。…多分美人さんだな


やばいな、振り向いて確認したいな。そしてここから出会いが…とかは期待してないけど、眼福くらいには…


お待たせしました、味噌豚骨です


よこしまな考えを遮るように置かれたラーメン


少し動揺しながらも、目の前のラーメンを食べ始めた









ごちそうさま


うし、この時を待ってた!いよいよ後ろの美女とご対面だ


ワクワクしながら席を立ち、横目で見る


…うーん、うーん、あれ?そうでもない…てのは失礼だけど、思ったよりは…


どちらにせよ、俺のトキメキは奪われた


なんだよー、楽しみにしてたのに。話題の映画見て、ああまぁこんなもんだろって感覚だ。なー、モヤモヤする!


そんなこと考えながら、レジへ向かう


ありがとうございます


その声に反応して、店員を見る


…え、なにこの子。か、可愛いじゃないか


アルバイトかな?いや、それよりいつからいた、なんで気づかなかった


その疑問は、お釣りを受け取ったときに解決した


あ、この手は…さっきラーメン置いてくれた…


てことは、ずっといたのか!今思えばお店入ったとき、こんな声聞いたかもしれない



ありがとうございました、またおこしください


そう言われ、店を出た








くっそぉぉぉ、灯台下暗しだよ、まさに。目の前にいたんじゃんか!


くそ、これもハゲ頭のせいだ。いや、後ろの期待度のみ高めだった女もだな!


そう考えながら、車に乗りとりあえず一服











まぁ、なにはともわれ眼福、眼福。二つの意味で、ごちそうさまでした



ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] わかります。 私の毎日、大体そんなもんです
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