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第五七段 職の御曹司の立蔀のもとにて(その2)

 頭弁の行成とわたしは、

「とうとうみの浜柳」

(あられが降る遠く近江に生えているという浜柳のようですね。

 一時は枯れて離れても、また新しく生えてくるのですよ。浜柳は。)

などと風流に言い交していると、若い女房たちは、ただ嫌がって、ここで語り合うことを見苦しいことだと言ってあからさまに言いあっている。


「この君は、何をお考えなのか分からない。他の方々のように経を美しく唱えるでもなし、歌を歌われるのでもなし。世の中を興ざめだとでもいうように、女房たちに話しかけもしないで。」などと言いあいっているので、行成は、


「女性は、目が縦向きについていて、眉が額にかかるように生えていて、鼻が横向きになっていようとも、ただ口に愛嬌があって、あごの下や首が趣深く、声が憎らしくない人がよいと思う。とはいっても、やはり顔が憎らしいのは嫌だなあ。」とおっしゃるので、あごが細く愛嬌がないと思われる女房は、けしからないと目の敵にして、定子様にまで悪口を申し上げる。





頭弁の行成は、清少納言との会話が楽しかったようで、他の女房とは話さず、恨まれていた、と言うお話です。まだ、続きます。

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