↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
49/482

第四四段 木の花は(前半)

 木の花は、なんといっても梅の花が「おかし」。濃い色でも、薄い色でも、紅梅がよい。桜の花も、花びらが大きくて、美しい色合いのものが、枝は細くて枯れたように見えるものに咲いている様子のものがよい。

 

 藤の花は、しなやかに長く枝が垂れて、美しい色合いで咲いている様子が、とてもめでたく思われる。


 それらに比べると、卯の花は品格が劣っていて、なんということはないが、卯月の夏の季節に咲くのが面白い。ほととぎすが、卯の花に隠れているだろうと思われることが、風情があってよい。賀茂祭のかえりなどに、紫野あたりの質素な家や手入れされていない垣根などにとてもしいろい卯の花が咲く様子がよい。


 それを見ると、古く黄ばんでしまった萌黄色の上着の上に、白い単襲(ひとえがさね)をひきかぶっているような美しさがある。また、卯の花がなくても、青朽葉色(あおくちばいろ)の衣に似ていて「おかし」。


 四月の終わり、五月の一日などのころに、橘の木の葉が青々と茂っているところに、橘の花が真っ白に咲いていて、雨が降っている早朝の景色は、この世のものでないように感じられるほどすばらしい。花の中にまるで金でできた宝玉のように橘の実がきわやかに見えている様子は、朝露に濡れた桜の花におとらず美しい。ほととぎすが寄ってきて実をついばむと思うからであろうか、わざわざ言う必要がないほど素敵だ。


 梅や桜のことは、一言で済ませ、卯の花について詳しくその素晴らしさを書き連ねるところが清少納言らしいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。