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第百八四段 位こそなほ(後)

 女は、やはり男に比べて劣っている。宮中で言うと、天皇の乳母は、内侍(ないし)のすけや三位などになれば重々しい身分と言える。とはいえ、かなり年を取ってしまっているので、何か良いことがあるわけでもないし、そんな身分になる者など多くはない。


 受領(国司)の北の方(正妻)になって、任国に下るのが、貴族の女の幸福であると思われているようだ。摂関家などではない普通の貴族の娘で天皇の后になられるのこそ、めでたいことであろう。


 けれど、男は、自分の身の出世こそが素晴らしく、空を見上げるように威張っている様子ときたら。法師などが、『なにがし供奉(ぐぶ)』などと言って高僧十人に選ばれ歩き回っている様は、何と見えようか。(とても尊敬に値しない。)経を素晴らしく読み、見目が清げであると言っても、女房達に軽んじられて大声で食って掛かっている。


 でも、僧都(次官)や僧正(最高位)になるのならば、

「仏様がこの世にあらわれていらっしゃるのであろう。」と思い、どうしてよいのか迷うほど恐れ入って従う様子は、他の何者にも似る者はない。



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