第百八三段 したり顔なるもの(下)
長年待ちに待って、受領(国司)になった人の様子こそ得意げである。わずかにいる従者も失礼な態度で、自分を侮っていたのを、憎いと思いながらどうしようもないと思って、こらえて過ごしてきたのだが。自分より優っている者たちがかしこまって、ただ、
「仰せを承りましょう。」と付き従う様子は、かつてのこの人と同じに見えようか。
この人の北の方(妻)は、優美な女房を召し使い、今まで見ることのなかった調度品や装束が湧き出てくる。(お祝いでもらったのやら、新しくあつらえたのやら。)
受領した人が、中将に昇進するのは、もともと公達の身分の人が昇進するよりも、気品があって得意げな顔で、待ちに待って、受領(国司)になった人の様子こそ得意げである。わずかにいる従者も失礼な態度で、自分を侮っていたのを、憎いと思いながらどうしようもないと思って、こらえて過ごしてきたのだが。自分より優っている者たちがかしこまって、ただ、
「仰せを承りましょう。」と付き従う様子は、かつてのこの人と同じに見えようか。
この人の北の方(妻)は、優美な女房を召し使い、今まで見ることのなかった調度品や装束が湧き出てくる。(お祝いでもらったのか、新しくあつらえたのか。)
受領した人が、中将に昇進するのは、もともと公達の身分の人が昇進するよりも、気品があって得意げな顔で、すばらしいことだと思うようである。




