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第百八二段 宮にはじめてまいりたるころ(その11)

(定子様からの文を見ると、)


 いかにして いかに知らましい いつわりを 空にただすの 神なかりせば

(どうやってあなたの卯を知ったのでしょうね。空にうそを見破る(ただす)の神がいらっしゃらないのならば。)

と、定子様が歌を詠まれました。そのようなお気持ちでいらっしゃいます。」と、傍の女房が書きとった文に書かれていた。


 それを見て、定子様の歌が素晴らしいと思うと同時に、嘘だと思われて口惜しいと思いもし、思いが乱れる。昨日くしゃみをした人を探し出し、どういうつもりだったのか探し出して尋ねたいものだ。


 薄さ濃さ それにもよらぬ はなゆえに 憂き身のほどを 知るぞわびしき

()ならば、色の薄さ濃さで美しさが変わるのでしょうが、それではない()の事ですから、定子様を思う気持ちは、くしゃみの薄さ濃さで変わるものではありません。それなのに、人の()のせいで、苦しい境遇となってしまうとは、なんと辛いことでございましょうか。)

 また、これだけは申し上げさせてくださいませ。式の神も、思いがけない偶然のことだったのでしょう。たいそうおそろしいことです。(嘘でなどあるはずがございません。)」と返事を差し上げた後も、

「ああ嫌だ。ちょうどあの折に、なんだってあのようなくしゃみをしたのだろうか。」と、まったく嘆かわしい。

出仕し始めのころの、清少納言の思い出話でした。私が会ったころとは違って、はじめは苦労していたのですね。

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