表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

305/313

第百八二段 宮にはじめてまいりたるころ(その10)

 ある時、定子様が話されていて、ついでに、

「私のことを思っていますか。」とお聞きになった。お答えして、

「どうしてお思いしないことがあるでしょうか。」と申し上げているのに合わせて、台盤所(だいばんどころ)の方から、誰かが音高くくしゃみをした。すると、定子様が、


「あら、いやだわ。くしゃみが聞こえるということは、清少納言の言うことは嘘だということね。はい、はい。」と言って奥にお入りになってしまった。


「どうして嘘などであるものか。普通に思い申し上げていると言っては、足りないほどであるのに。くしゃみこそ嘘だ。」と思う。


 それにしても、だれがこんな憎らしいことをしたのであろう。全く不愉快だと思う。私がくしゃみをしそうなときには、抑えつけて返してしまっていることを思い、よけいに憎らしく思うのだが、まだ出仕したばかりでどうにも定子様にうまく申し上げることができずにいる。そのまま夜が明けてしまったので、局に下がるとすぐに、使いが浅緑色の薄様の紙に書かれた優美で風情がある文を持ってきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ