第二五段 にくきもの(その四)
平安の世の、忍び歩きの邪魔になる夜の「音」の憎きこと。
そのようなことになるはずではなかったのに、こんなところで寝させるはずでなかった男が、隠れて寝ているのにいびきをかいているとき。
(おーい、静かに寝て頂戴!)
また、こっそり忍んで来るところで、被っていた長烏帽子がこっそり帰ろうとするときに、何かに当たったらしくがさっと音を立てるのは、全く「にくし」。
伊予のすだれの粗末なものをくぐるときに、ざらざら音を立てるのも、嫌だ。帽額のすだれは布が上にかかっているが、下に重いものが置いてあると、音がひどい。端の方をしずかに引き上げて出入りすれば、音はしないのに。
また、引き戸をガラガラ手荒く開けるのも、まったく嫌だ。少し持ち上げて開ければ、あんな音はしないのに。開け方が悪いとふすまもひどい音がする。
(ドアをばたんと音を立てて開け閉めする人、いるよね。清少納言はあちこちでばたんばたん、ガラガラ、どさって音がするのは、我慢できなかったようです。忍ぶ恋がばれるし。)
眠たいと思って横になったとき、蚊がか細い声でぶーんと音を立てながら、顔の周りを飛び歩くのは、嫌だ。音だけでなく羽風までも、蚊の大きさ相応にあるのは、まったく耐え難い。
(激しく同意。べー〇マット、ありがとう。)
まだ続きますが、あと1回くらいで次に行きます。




