表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/28

はじめに

 継体天皇は皇室系統の歴史の中でも極めて異質の天皇と言われている。大和朝廷で世継ぎをめぐる争いから多くの候補者が殺され、世継ぎ候補がいなくなって5代遡って天皇家の血筋を継ぐという事で白羽の矢が向けられた人物である。まずは大和朝廷から使者が越前の国にやって来るところから物語を始めて行こう。

 その日、晴れ渡った空のもと、小高い山の頂上にはさわやかな春の風が吹いていた。山肌には河原から手送りで運んだ川石が一面に敷き詰められ、平地から見れば真っ白な山に見える。この山は周りの山とは明らかに違う様相を見せていた。

 507年、越の国を治めていた男大迹王おおとのおうは先代の王の墓であるこの二本松山の頂上で大和朝廷の使者、大伴金村を迎えていた。王に即位する前には男大迹皇子おおとのみこと呼ばれていたが、王になって男大迹王と呼ばれ通常はヲホトという名で呼ばれていた。

大伴の金村は大和朝廷の権力者であった。この墓の上からは晴れた日には越の国が遥かかなたまで見渡せる。大和の使者を迎えるにあたり、越の国の雄大さを見せつけるために男大迹王が選んだ場所だった。床几に大柄な体をゆったりと据え、堂々とした態度で大伴金村にも座るように手のひらを向けてすすめると、

「どのような用件でこの越の国へ来られたのか?」

と問いかけた。その険しい目つきは威厳に満ち、金村をにらみつけ、寸分の隙も見せない態度は偉大な王の風格を見せていた。金村も負けないように凛とした態度で襟を正し、床几から立ち上がって男大迹王から目線を外さない。さすがに大伴金村は大和朝廷の権力者で男大迹王に一歩もひけを取らない。しばらく睨み合いが続いたのちに大伴金村が口を開いた。男大迹王は目を瞑り、金村の言葉を一言一句聞き逃さないように集中して聞いていた。


ヤマトの使者である大伴金村の話を聞いた男大迹皇子は判断に迷う。しかし次のエピソードでは時代は現代に移り、継体天皇をめぐる物語が展開される。継体天皇が絡む事件は殺人事件へと発展する。こうご期待。ブックマークを入れて見逃さないようにしましょう。毎週アップしていこうよ思っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ