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お狐さん

作者: 椿 ユキ

ぽつりと頬に何かが当たる。

地面に模様が描かれていく。

見上げると青く澄んだ晴れ間の広がる空から、雨が降っている。


「お狐さんが嫁入りしてはんのやねぇ。」

小さい頃に、祖母がそう言っていたのを思い出した。晴れた空から雨が降ることを、狐の嫁入りと言うのは、その時祖母から教えてもらった。

どうして、狐の嫁入りというのだろうか。昔、祖母から教えてもらった記憶を辿りながら歩いていると、着物を着た行列とすれ違った。

私は、はっと顔を上げて振り替えってみたが、行列はいなかった。

私の見間違えかと辺りを見回して、ふと思い出した。

「なんで狐の嫁入りって言うんか言うとね、お狐さんの嫁入り行列を、人に見られへんようにするためなんよ。」

小さい頃の私は、その話を祖母から聞いて、お狐さんは恥ずかしがりやなのだと思った。


もし、私がその行列を見ることが出来たなら、それはとても愉快で優美ものなのだろう。

そんな想像をしながら、私は歩き始める。

幻想的な晴れた日の雨の中を。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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