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1話・追放です。

短編書きました~

長編になってるけど短編です。

まあ~あと一話出すので合計で約6000文字くらいです。



「第三王子ジーレックはこの国から追放をする」


そう、レペリック王国国王のレペリック・ダージによって告げられた。

第三王子は次期国王になる継承権はあるが、王国の権力の軍事・経済などを扱う大臣たちは次期国王の見込みがある第一王子ケレックや第二王子ツーデの味方になり次期国王にとあっせんして、第三王子には誰も次期王子としてのあっせんや味方などがいない絶望的な状況に可哀想と思った国王はジーレックに対して、甘やかし続けた。


望むものは全て与えた。金・家・女・酒・専属冒険者など与えた。

その結果、ジーレックは体重100キロを超える巨漢であり、クソデブ第三王子・最低災厄の第三王子など呼ばれるようになった。


国王はジーレックを甘やかしすぎたのである。


ジーレックはもらった金は全て女につぎ込んだり、暴力沙汰を起こしたりなど好き勝手している。暴力沙汰は国王が評判にヒビが入ると言う事で犯罪などをしても、もみ消してもらえると思い好き勝手している。


そんな姿を見ていた第一王子のケレックと第二王子のツーデは次期国王になるために色々しているため不満がたまっていたのであろう、二人は協力しやってもいない殺人などをでっち上げ第三王子ジーレックを落とし入れこの王国から追放させるようにした。


さすがにジーレックも「殺人はしていない」と反論したが、今までの行いが悪く家族、王国内、国民はだれも信じなかった。


まさに、日ごろの行いが悪かったのである。


ジーレックは専属冒険者・女・家・金などを没収され追放を言い渡されるまで部屋で閉じ込められていたが、3日後、国王は第一、第二王子や大臣など国を動かす偉い役人が並ぶ場所にジーレックを呼んだ。そこでジーレックは弁明をするが、国王は首を横にふり信じてもらうことが出来なかった。


「第三王子ジーレックをこの国から追放する」

「お父様、私は殺人などしていません。本当です。信じてください!!」

「もう、お前を信じることは出来ないし、庇うことも出来ない。せめてもの情けだ、お前はこれを受け取り好きに生きるがいい」


あたりは、ヒソヒソと第三王子の事を(早くいなくなればいいのに)・(なんであんな奴に国王は慈悲を与えるのか)などの悪口が言われいている。

第三王子はそれだけ嫌われており、クズ的な王子だったことがわかる。


国王は、ジーレックに金の入った袋を渡した。

袋には金貨10枚が入っていた。


金貨10枚は遊ばずに普通に過ごしていたら老後まで安定的に生活できるくらいのお金である。国王は今までの行動を反省しろという気持ちもあるのだろう


「連れていけ」

「は!!」

「お父様!!おとうさま!!」


国王は兵に命じ、泣きじゃくりながら国王に弁明をするジーレックをこの国から出すように命じ兵士2人はジーレックの脇を片方ずつ持ち、引きずるように国王の間の扉を開き王都から追放した。

泣きじゃくりながら叫ぶジーレックの声を無視し、国王は目をつぶり最後のジーレックを見届けることはなくジーレックを連れた兵が扉を開き閉じる音だけを聞いた。


「王様、ようやくこの国からお荷物が無くなり気が楽になりますね」

「ああ...」


国王は自分の息子であるジーレックを追放したことに少しの罪悪感があるようで、側近に歯切れの悪い返事をした。


王都の門まで馬車で連れられ、門から出て少しした所でジーレックは無理やり馬車から降ろされた。


「ほら、降りろよ豚!!」

「さんざん俺たちをコケにしやがってよ!!」

「グハァ、や、やめろ!!こんなことしたらお父様に言いつけるぞ!!今なら見逃してやるじゃからやめろ!!」

「はぁあ!?お前は追放されたんだよ。お前の父親の王様にな!!」

「王様もこんなクズをよくもまあ~ここまで放置したもんだよな」

「迷惑料としてこの金はもらっていくぜ~」

「じゃあな、元第三王子ジーレック様」

「うぅぅ...」


兵士二人は今までのうっぷんを晴らすように、腹を蹴ったり顔を殴ったりとボコボコにした。だいぶうっぷんが晴らせたのか、ようやく暴力をやめ、気絶しているジーレックを何もない平原の地に放置したまま、国王から持たされた金貨10枚の入った袋を奪い馬車に乗り王都に帰って行った。


「クソ...なんで僕がこんな目に合わなくちゃいけないんだよ.....」


ジーレックは顔が腫れ、あばらなど数本折れており動けない様子である。

今まで暴力などは受ける方ではなく暴力を振るう方だったので痛みには耐性がなく気絶から覚めたが再び意識を失った。


ジーレックは再び目を覚ますと、背中が随時痛く、何かに引っ張られていた。

よくよく見てみると、人間だった。


暗闇で服は見えないが、両足を持たれ引っ張られていることは分かる。先ほどのダメージが残り動くことが出来ず抵抗が出来ない。

急な眠気が襲い引きずられながら眠りについた。


日差しが差し、目を開けると見知らぬ天井があった。


「あら、起きたんですね。」

「はぁ」


頭の処理が追い付かず、何となく返事をした。

声のする方に顔を動かすとそこには、黒っぽいシスター服を着た女性が立っていた。

胸元には金色に輝く十字架をぶら下げている。


「地面で寝ていたので引きずって私の部屋に運びました。大丈夫ですか?」

「よくやった。私はこの国の第三王子ジーレックである。僕に話しかけられることを感謝するんだな」

「はい、ですがここは教会内なので身分などは関係が無いんですよ。傷ついた人が癒される場所でもありますから」

「ここは、なんの教会だ?」

「はい、ここは王都からはかなり離れた場所にある、レニット教会です」

「辺境の地か」


ジーレックは今起きていることを思い返すと、ムカムカしてきた。

偽の殺人の罪をかぶせた、ケレック兄さん、ツーデ兄さんに怒りが込み上げてきた。


「あの兄さんたちを殺したくなってきたわ!!」


シスターは急な大声に体が『ビク』とわずかにとんだ。

シスターは殺人などは許さないのでジーレックに殺すことはよくないとなだめた。


「ジーレックくん、殺人はよくありません。人を殺すと地獄に落ちます。神様に愛されるためには人にやさしくしなくてはいけません」


手を組みさとそうとするのだが、僕を運んだときのあの引きずりは優しさなのか?

優しさなんだろう、あそこでいたら多分魔物に食われていたと思うし...


『やさしさ』とはなんなのかと思ったが自分で解決した。


「僕は王族だぞ!?そんなの信じるわけがないだろ!!」

「信じる信じないはあなた次第です。ジーレックくんの体はどうして治っているかわかりますか?」


確かに、骨の数本が折れているはずだが全くそんな痛みはなく、むしろ体が軽いくらいだ。


「どうしてだ。骨の数本折れていたはずだ」

「これが信じる力です。レニック教会は神様を信じることによって神からのギフトがもらえるのです。それが癒しの力です。癒しの力は人を癒すことが出来ます。ただし、自分で使う事は出来ません。自分より、他人を思うそれが神様の意向なのです。」

「そうか、褒美を使わす」

「いえいえ、見返りはいりません」

「遠慮するな」


懐をごそごそと探すのだが、最後にお父様にもらった金貨10枚の袋が見つからなかった。


そういえば、最後にあの兵士ふたりが懐から金をとりやがった。

第三王子の僕の金をとるなど死刑だ!!


だが、今はそんなことをする実行力はない。

褒美を使わすと言ったが、褒美を与える物が無い。僕も王族である。褒美をやると言って褒美を上げないのは言語道断である。


しかし、褒美と言う物を持っていない。


「おい、女よ我の嫁にしてやる。褒美を与えると言ったが今は与える物はない。僕の嫁になることは大変名誉なことだぞ」

「いえ、お断りします。私はシスターなので結婚も出来ません。先ほども言いましたが私は見返りはいりません」

「はあ!?それが僕に対する態度か!?」


初めて断られたことに対しシスターの胸倉をつかみ怒った。

告白し、一度も断られたことが無かった。王族のプライドが傷ついたのかつい手が出てしまった。


「暴力はなにも解決しません。離してください」

「ふん、助けてくれたことに対し許す。」

「はい、ありがとうございます。」


僕が胸倉をつかんだことにより胸元のボタンが取れ胸元が見えてしまい多少罪悪感を感じた。


「僕は王都に戻り、もう一度弁明をする。」

「では、王都まで一緒に行きませんか?野菜を王都に届けるついでなので荷馬車で送りますよ。」

「そうか、では僕を送るがいい。」


ジーレックは相変わらず、上から目線の口調で、乗せてもらうにも関わらず先に荷馬車の荷台に乗り、野菜を積み込むこともせず「早くしろ」などせかし全く手伝わない。


シスターは何も言わず、「分りました。」「早くします」など言われたことに素直に答えていた。


荷馬車の準備が出来、片道一時間の王都に向かった。

ジーレックは荷台に隙間を作り寝ることにした。


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