雨曇R〜灰色の世界に虹がかかるまで〜

雨曇ヒロイン麗奈の過去エピソードです！


プロローグ
私にもかつては家族が居た。

母は底抜けに優しくて、いつも美味しいご飯を作ってくれて幽霊が怖い夜は妹と一緒に母に抱きついて寝ることもあった。

父は工場で働いていて、仕事から帰るといつも油まみれの姿だった、でも幼いながらに、私と妹は父が私たちを食べさせる為に働いてくれていたことを知っていた。

妹はいつも私に引っ付いてくるのが可愛くて、学校では貧乏とイジられたりして、1人きりだったとしても、妹が居れば気にならなかった。

なんの変哲もない少し貧乏なくらいの家庭でも、何も不満は無く、私の家はいつも笑顔で溢れていた。

そんな私の日常は、残酷にも一瞬で崩れ去った。
そう。あなたも知ってるあの日の事件で。

今日話すお話は、私の世界から色が消えてからのお話。
君にも話した事は無かった、私が君に出会うまでのお話。