1-3
「不幸にもルナ様は、侍女に色んな初めてを奪われるのです……げへへ」
「ま、待ちなさい! 正気ですか!?」
上からポタリと涎が落ち、頬を濡らした。
マズい、この女、私以上にやべーやつだ!
くッ、腕も、足も動かない……ぁ、ああ!
「極上の女を弄ぶ以上に幸福な事などありませんからねぇ〜」
悪魔のような笑顔。
艶やかな唇が徐々に迫ってくる。
うん、逃げ場は無かった。
「ぶ、無礼者! やめ、やめて!」
「さぁ、観念して下さい。新婚初夜、ですよ……ふふふ」
「待って、助けてッ! だ、誰か──ぁ、ああああ!!!」
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【R18表現の為、小説家になろうの規約上、本文掲載を行えませんでした】
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すっかり暗くなった室内で、一人の女は啜り泣き、もう一人の女はベッドに腰掛け一服していた。勿論、泣いているのは私だ。
「こんな……ふ、不幸だわ……」
「ふぅ、なんて幸福な一日でしょうか」
「もうお嫁にいけませんわ……」
「ソルがもらったので大丈夫ですよ」
「本当に、私を嫁にするつもりなのね……」
「ソルに二言はありません」
「……元気になったら、逃げるかもしれませんよ?」
ソレイユに問い掛けると、口元を耳に寄せ囁かれた。
「でも、よかったでしょ? ルナ様」
その問いに対し、私は絞るような声でこう答える。
「……よかった……です」
「なら、今日から新婚生活スタートです! よろしくお願いします、ルナ様!」
なんだかよく分からない内に、私は侍女の嫁になった。
こうして、厄災令嬢と暁光侍女の奇妙な生活が始まってしまったのだ。