貧乏伯爵令嬢は次期公爵様に尽くします ~貧乏令嬢は偽りの婚約を御所望です~
ホラーなのかな?
ミステリーだけど作者の頭は良いものではありません。
それでも良ければ楽しんで見て行ってくれると嬉しいです。
「ルーファス様、どうか私と偽りの婚約をお願いいたします」
その言葉に彼は大きく眼を見開く。
……そりゃそうよね。でも、これで良い。
これで、どちらも優位になるのだから。
時は少し前に遡る。
私の名はエレナ・リリアース。貧乏伯爵家の令嬢に生まれた。
見た目、普通。ルックス、普通。才能、普通。頭脳、普通。
運動神経、普通。なにに置いて全て普通の私にも、普通ではないことだってひとつある。
それは霊に干渉する能力。
ただし、普段使うことの無い役立たず能力。
むしろ迷惑である。霊を直視してると憑かれるし、着いてくることはないけど、有害な霊ばかり。
それは自殺した霊や恨みをもった霊と色々なもので、こうしてみると貴族はそんなに黒い事をしているのだろうと、実感する。
霊媒、霊視、降霊だって、霊に関することだったら全て出きる能力。それはそれで、面倒なのだ。
まあ?今はそんなことはどうでも良い。
私にとって大事なのはこれからの事。
私は貧乏な家に生まれ貧乏な令嬢に生まれたのだ。
いつ没落してもおかしくない状況にある。
その為に、自分よりも高位な爵位を持つ人と、婚約をする必要がある。だが、相手が見つからない。
ブスよりは、マシだけど、なにに置いて普通な私に婚約話など全く来ないのだ。どこぞの美少女だったら男どもは婚約話にすぐ寄ってくるだろうが。
少しでも良いから私の能力が役に立たないのかね?などと悩んだ末にある面白い噂を聞いたのだ。
デステイル公爵家で相次いで公爵家で死んでいると言う噂を聞いたのだ。心霊に関係があるなら、それはそれは興味深いし、婚約が出来る。
ついでに運良くデステイル公爵家には令息がいる。
それはそれはイケメンらしいが、冷血にて冷酷な冷酷無慈悲で冷酷無比な完璧令息らしい。
私にとってもその性格の方が相手をしやすい。
だから私はある賭けに出た。
ある大きなパーティーを利用して、私はデステイル公爵である、ルーファス・デステイル。
「ルーファス様、ごきげんよう。伯爵家のエレナ・リリアースと申しますわ。今日は、ルーファス様にお願いがありまして、参りました」
突如目の前に現れた私にルーファスは眼を大きくしていた。
「それは、何だ?」
「私と、偽りの婚約をして頂いただきたいのです。勿論、ルーファス様にとっても、利益があるかと」
「それはどんな?」
「最近、噂でデステイル公爵家内で事故や死者が出たと言う」
「だから?」
「その事件、私が視ても良いでしょうか?」
「それは賭けでは?」
「はい、そうですよ?私、霊と干渉する能力を持っているんです」
「それを信じるとでも?」まあ、そうなりますよね。
「そう言うと思い、一つ根拠を持ってきましたの」
「それはどんな?」
「貴方とその人しか知らない話です。少し、待っていてくれるかしら?」
なにも言わない。了承したようだ。
フッ、と少し風が吹いて、私は耳を聞く。
「小さい頃、星のネックレスをある木に隠しましたよね?それは、母親の形見でいつか大切な人に渡したいと言う物で」
ニッコリと微笑む私にルーファスは耳を疑うような表情になる。
「なんで、それを?お母様に会ってきたんですか?」
「いいえ、どちらかと言うと違いますね」
「では、どう?」
「精霊に頼んで、死後の世界でルーファス様の母親様に会いに行って聞いてきてもらったんです」
「………」まだ半信半疑の顔をしている。
仕方がないわ。これがほんとの賭けになりそうだけど。
「これでもまだ、信じてもらえないのでしたら、私、呪術をかけます」
「それを信じるとでも?」これはしんけんだった。
まあ、そうよね。
「では、私、呪いますよ?ルーファス様の大切な人に。それが嘘だと言うのであれば、それで良いです。ですが、それが本当なら、どうしましょう?」
つまり、私はルーファスの大切な人に呪いをかけます。
と言う意味で、それが嘘だと思っても良いと言うこと。
だけどそれが嘘じゃなかったら?と言うはなしである。
「良いよ。君の交渉に乗る」諦めたように出した声は、少し興味深そうな声だった。
それにたいして私はニッコリと微笑む。
「婚約と言っても偽りです。公表は一切いたしませんし、他に好きな人が出来たら、それで良いです。私の目的は、家の没落回避ですから」
「こんなにはっきり言った人は初めてだよ」
「お誉めに預かり光栄ですわ。勿論、私はデステイル公爵家の真意についての究明を致しましょう。もし、失敗すれば私の事でも致しますわ」
私は握手を持ちかけ、ルーファスは一切の躊躇いを見せずに握手した。
――――――――――交渉、成立♪――――――――――
中途半端な物ですが、最後まで見て頂いてありがとうございました。