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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第二章

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第二章第31話 剣姫 vs. Dランク冒険者

「誰? あんた、弱そうね」

「エレナさん! いけません! ロベルトさんも学生の女の子相手にやめてください!」


 エレナが流れるようにロベルトさんを煽るがセリアさんが慌ててそれを止める。


「戦ってもみねぇうちに弱いとは、よくそんなことが言えるな」

「ふうん? で、ディーノ。こいつは強いの?」

「え? ああ。ロベルトさんはDランクの冒険者で、サバンテの中ではかなりの腕利きだな」

「ホントに? あのオカマと同じくらい強いの? そうは見えないけど?」

「い、いや。トーニャちゃんは別格だから……」

「なんだ。じゃあ、やっぱり弱いんじゃない」

「ああ、くそっ! そりゃあ、アントニオさんと比べたら弱ぇが、それでも俺は長いことDランクでやってきたんだ。ここまでサバンテの冒険者をコケにされて黙ってられるか!」

「怖いなら逃げても良いわよ?」

「なんだと!?」

「おい! エレナ! やめろって! 支部長にも信頼を勝ち取れって言われただろ?」

「何よ。こいつの肩を持つわけ? 大体ね。事実を指摘されて怒るのはやましい気持ちがあるからよ」

「なっ!?」


 ロベルトさんの顔が真っ赤になり、言い返そうとした瞬間にセリアさんが怒りを爆発させた。


「もう! いい加減にしてください! ここは食事をする場所です!」


 美人の怒りにあたりはしんと静まり返る。


「そうね。食べたら相手してあげるわ」

「……こっちのセリフだ。逃げんじゃねぇぞ」


 ロベルトさんはそう言うがエレナはまるで興味がないといった様子でサンドイッチに手を伸ばすのだった。


 エレナ。頼むから余計なことを言ってどんどん敵を作るのはやめてくれ。


◆◇◆


「さ。いつでもかかってらっしゃい」


 昼食を終えて訓練場にやってきたエレナはその中心に立つと自信満々の様子でロベルトさんにそう言い放った。


 ああ、もう。さっきの昼食の時にセリアさんと二人で煽って怒らせないでくれと口を酸っぱくして言い含めておいたのに!


 これ以上おかしなことを言わないでいてくれる良いのだが……。


「ああ! 言われなくても! ボコボコしにしてやる!」


 馬鹿にされていると感じたのだろう。ロベルトさんは怒りをあらわにする。


 ロベルトさんはDランクではあるものの、その実力は第二階層で決死の突撃隊に入っていただけあってトップクラスのはずだ。トーニャちゃんとの試合がエレナの全力なのだろうから、二人の実力はトーニャちゃんに手も足も出ないという意味ではきっと同じだとろう。


 俺の実力が低いせいでどちらが強いのかはさっぱり分からないが、ロベルトさんなら俺のような醜態をさらすことはないような気がする。


 この戦いはきっと、長年の経験をもつロベルトさんに対して本格的に戦いを学んで半年のエレナの力がどれだけ通用するのかの勝負になるのではないだろうか?


「(なあ、どっちが勝つと思う?)」

『え? エレナを応援するに決まってるよっ! だって、ディーノの幼馴染なんでしょっ?』

「(いや、そういう意味では……まあ、いいか)」


 まあ、どちらが勝つかよりは余計なことを言わないでくれたほうがありがたい。


 頼むぞ。本当に!


 そんな会話をしながら見守っていると、ロベルトさんが先手を取って動き始めた。まるで岩のように大きな体が華奢(きゃしゃ)なエレナを叩き潰さんと凄まじい速さで迫っていく。


「あーあ。やっぱりこうなるのね」


 エレナはつまらなそうにそう言うとロベルトさんの攻撃をするりと躱した。すると何が起きたのかはさっぱりわからなかったが、ロベルトさんが顔面から床に倒れこむ。


 うわぁ。ものすごく痛そうだ。


 右足と左足が絡まっているので足がもつれて転んだように見えるのだが……。


「ほら。さっさと起きなさいよ。まさかこれで終わりじゃないわよね?」


 エレナがイライラした様子で倒れ込んだロベルトさん声を掛ける。


「こ、この……なめた真似を!」


 そう言われたエレナは何かを言おうとしてから一度言葉を飲み込み、それからやや困ったような表情になった。


 お? これはもしかして余計なことを言わないようにしてくれているのか?

 

 だがそんな俺の期待もむなしく、エレナは再び真顔に戻ってとんでもないことを言い出した。


「うちの学園の元最強剣士も同じように顔面から転んだもの。うん、そっくりね。たしか、将軍の息子だって言っていたかしら? そうよ。だから、きっとあなたも将軍の息子くらいの実力はあるんじゃないかしら?」


 おい! それは煽り文句にしかなってないだろ!


「こ、こいつ!」


 案の定顔を真っ赤にしたロベルトさんはエレナを殺さんばかりの勢いで攻撃を加えるが、エレナはそれをまるで相手にしていない。


 細身の木剣で簡単に攻撃を逸らすとロベルトさんの体のあちこちにこつん、と木剣を当てていく。


 そう、エレナは攻撃をしているのはなく当てているのだ。


 あれがもし真剣であれば、もし戦場であったならロベルトさんはとっくに倒されていたことだろう。


 まさかここまで実力差があるとは!


 そのことを理解したであろうロベルトさんの表情は屈辱に染まっていく。


 ロベルトさんの大ぶりな一撃が空を切ったかと思うとエレナの姿は消えており、いつの間にかロベルトさんの後ろに回り込んでその首筋に木剣を差し当てた。


「ぐ。ま、まいった……」


 エレナはフンと小さく鼻を鳴らし、俺のところへと歩いてきた。


 その表情は……ドヤ顔だ。


 そして俺のところにやって来るや否や、おかしなことを口走った。


「ちゃんとあの弱っちい奴のフォローをしておいてあげたわよ。学園にいたなんとか将軍の息子とかいうのと同じくらいだって」


 ああああ! そういうことか! あれは煽るんじゃなくて褒めたつもりだったのか。


 あまりのことに眩暈(めまい)を感じるが、エレナはいかにも褒めて欲しそうな表情をしている。


 これは、どうしたものか……。


 あまりの難題に答えが見つけられずに悩んでいる俺の前に救世主が現れた。


「おーい。ディーノ君。エレナちゃんという女の子を探しているんだけど、どこにいるか知っているかい?」

「あ! カリストさん! こっちです!」


 俺は大きく手を振ってカリストさんを呼んだのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] こっちです!カストリさんwww
[一言] うむむ、、これはエレナさん少しお仕置きが必要ですね。 フラウがガツンとやってくれそう~
[一言]  うーん、なんか面白くない。  作品ではなく、この調子に乗った小娘が。  誰でもいいからギャフンと言わせてやって欲しい。  このままじゃ本人の為にもならないし。
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