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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第二章

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第二章第1話 ご褒美断魔装備ガチャ(1)

「それじゃあ、これが精算後のディーノちゃんの取り分よン」


 俺はトーニャちゃんから大きな袋を手渡された。


「え? こんなにですか?」

「中身は 20 万入ってるわン。確認して」

「でも、元々フリオ討伐の取り分は 5 万だったんじゃ……」

「でも、結局あたしだけじゃフリオちゃんには勝てなかったわけだからねン。ディーノちゃんはちゃんと戦ってフリオちゃんを倒したんだし、いくらなんでも 5 万じゃ少なすぎよン」

「トーニャちゃん……」

「だから、授業料とあの時のガチャのお釣りが出なかった分で、あたしがディーノちゃんの報酬から 5 万もらっておいたわン」

「……ありがとうございます」


 ありがたい! これでまたガチャが引けるじゃないか!


「ディーノさん? あのギフトの使い過ぎはやめた方が良いですよ?」

「え? わ、分かってますよ。ちゃんと収入の範囲内でやりくりしますから」


 セリアさんのまるで見透かしたような一言にドキリとしたが、俺は何とか平常心を装ってそう答えた。


「はぁ。ほどほどにしてくださいね」

「もちろんです!」


 そうして俺は足早に家へと向かった。


 やはりガチャを引くときは自宅に限る。ガチャを引くときは誰にも邪魔されず、自由で、何と言うか、救われてなきゃダメなのだ。


 と、どこかで聞いたようなことを考えつつも久しぶりに自宅に戻ってきた俺は掃除もせずに早々にガチャのスクリーンを開く。


「あっ、もうガチャを引くの?」

「ああ。とりあえず、百連を引けるだけ引いていこうと思う」

「おおーっ! ディーノすごい! さすが勇者! お金持ちっ!」

「ふっふっふ。そうとも。今日は久しぶりに楽しくガチャが引けるぞ」

「やったねっ! それで、何狙いなの?」

「やっぱり断魔の盾だな。ここまで来たらコンプしないとな」

「だよねっ! がんばれっ!」

「ああ! 任せろ!」


 俺はそしてスクリーンを開くとガチャのスクリーンにお金を投入する。デポジットが 6,000 マレあったのでまずは 100 連分の 21,000 マレ投入して 100 連分のチケットを買う。


「よし、じゃあ、いくぞっ!」

「楽しみだね~」


 フラウはワクワクを抑えきれない様子だが、それは俺も同じだ。


 だがこういった時に焦るのは禁物だ。


 中途半端な気持ちでガチャを引くことは破産への一本道になるからな。


 しっかりとガチャと向き合い、集中し、タイミングを合わせて……。


「ここっ!」


 俺は最高の集中と共にガチャを引くボタンをタップした。画面の中ではいつものように妖精が宝箱をぶら下げて飛んでくる。


 銅箱、木箱、銅箱、木箱、木箱、木箱、木箱、木箱、銅箱、木箱だ。


「うわっ。ヤバい!」


 そしてどの箱も変化せずにそのまま爆死してしまった。


「ああっ! くそっ」

「ディーノっ! 落ち着いてっ!」


 おっと、そうだった。危なかった。このままガチャに呑まれてしまっていては爆死が続いてしまうだろう。


 ガチャマスターである俺としたことが、こんなところで熱くなるなんてらしくない。


 だが、俺にはフラウがついている。フラウがこうしてついてくれて熱くなりそうな俺を冷静にしてくれる限り、きっと俺がガチャに呑まれてやられてしまう心配など無い。


 よし、気を取り直して次に行ってみよう。


 俺は大きく深呼吸をするとボタンをタップする。


 爆死だった。


「いやいやいや。ま、まあ、これまでも二十連でこう言う事はあったからな。想定内だ。それに、迷宮の中ではかなり神引きだったしな」


 そう。迷宮でトーニャちゃんにお金を出してもらって引いたあのガチャの当たり方はヤバかったのだ。だからこのくらいの反動が来ることなど想定の範囲内だ。


 俺は落ち着いてもう十連ガチャを引いていく。


 木箱が八つ、銅箱が一つに銀箱が一つだ。


 それ見たことか!


 そう。ガチャとはこういうものなのだ。神引きがあれば爆死があり、爆死の後には神引きが待っているのだ。


「さあっ! 来い! ステータス強化!」


 そして銀箱が開いて中身が飛び出してきた。


 『☆4 鉄の鎧(下半身)』


「ああぁぁ。ダメか。ま、まあ、これは売ればいいだろう」

「うんっ。そうだよ。まだまだいっぱい引けるから頑張ろうっ!」

「そうだな。ありがとう」


 そして他の箱も変化せずに終わってしまった。


 まあ、仕方がない。だが、今日はまだまだたくさん引けるのだ。気落ちせずに行くとしよう。


 そう。気落ちせずに百連目まで一気に引いたのだが……。


 それまでに引けた☆4はたったの一つで、しかもそれは先ほども出た『鉄の鎧(下半身)』だった。


「うわぁ。ひどい爆死だ。ここまでひどいともう逆に笑えて来るな」

「う、うん。でも、ほら。きっと次は良いコトあるよっ。ほら、楽しく前を向いてガチャを引いたほうが運が良くなるよ。きっと」

「あ、ああ。そうだな。よし!」


 俺は追加で 27,000 マレを投入して新たに百連分のチケットを購入するとすぐさまガチャを引く。


 別に焦っているわけではない。ちょっとタイミングを変えてみようと思ったのだ。


「来いっ!」


 だが俺の願いもむなしく爆死した。


「うーん。ちょっと爆死が続きすぎな気がするな。一回落ち着こう」

「うん。そうだねっ。ちょっと休憩しようよっ」


 フラウはそう言うと勝手に窓を開けて外に出ていった。そして井戸から水を汲んで戻ってくるとその水をおいしそうにごくごくと飲んでいる。


 毎度思うのだが、俺以外に見えないくせに物を触っているし食べ物は勝手に食べるし、一体どうなっているんだろうか?


「ぷはー。あれ? ディーノは飲まないの?」

「いや、俺はまだ喉乾いてないからさ」

「そう。じゃあ、続きやる?」

「よし。やるか!」


 俺は気を取り直して再びガチャの画面を開くとボタンをタップする。そして見慣れた演出と共に妖精たちが宝箱を運んでくる。


 木箱が七つと銅箱が三つだ。変化もしてくれない。


「あー、ダメだな。上手くいかないな」


 そして俺は箱を開けていく。


 『☆2 馬の糞』

 『☆2 馬の糞』

 『☆2 馬の糞』

 『☆2 馬の糞』


「おいっ! 馬の糞続きすぎだろっ! どうなってんだよっ!」


 思わずツッコミを入れてしまった。まあ、☆2は確率が高いうえに種類も少ないから被ってしまうのは分かる。


 分かるがこれはちょっと……。


「はぁ。やっぱり今日はダメな日なのか?」

「そんなことないよっ! ダメな時もあれば良い時もあるのがガチャだよっ。きっとこれから取り返せるって」

「ああ、それもそうだな」


 俺はフラウの言葉で折れかけていた心を奮い立たせる。


 そして一度大きく深呼吸する。


 くせぇ。


「ごめん。フラウ。ちょっと馬の糞を処分してくる」


 流石に今の精神状態で馬の糞の匂いはさすがにきついのでトイレに捨てからガチャを再開する。


「よし。今度こそ! 来い!」


 俺は気合を入れてガチャのボタンをタップする。


「お! いきなり銀箱! 来い! 変われ!」


 だが残念ながら変わることは無く、『☆4 魔術師のローブ』が出てきた。


「うーん。イマイチだな。それに装備はもう揃ってるんだよなぁ」


 少し贅沢を言っている気もするが、もう断魔装備が盾以外は揃っているのでもう普通の装備は必要ないのだ。


「残りは銅箱と木箱か。まあ、サクサク開けるか」


 俺は画面を連打して箱を次々と開けていく。


 『☆2 藁しべ』『☆3 薬草』『☆2 ただの石ころ』『☆2 藁しべ』『☆2 ただの石ころ』『☆3 火打石』『☆3 鉄の小鍋』『☆2 糸』『☆2 皮の紐』『☆4 鉄の剣』


「おっとぉ!?」


 びっくりした。油断しているところでいきなり銅箱が銀箱へと変わった。残念ながらステータス強化ではなかったが、それでも☆4だ。


「ちょっとぉ。ディーノったら集中できてないよっ!」

「ごめんごめん。ちょっとここまで爆死が続いてたからさ」

「もーっ。しょうがないなぁ」


 だが、これは俺が悪いだろう。こんな風に集中力を欠いた状態で漫然と引いていたのだ。こんな体たらくでは引ける物も引けないだろう。


 俺はふぅっと大きく息を吐くと自分の頬をパシパシと二度ほど叩いて気合を入れる。


「よし! いくぞ!」


 今日一番の大きな声が俺の部屋の中に響き渡るのだった。

第二章は爆死からスタートです。迷宮の中で神引きをしていたのでその揺り戻しでしょうか。


面白かった、もっと爆死しろ、いいからエタらずにキリキリ書け、などと思って頂けた方はぜひ、


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なお、執筆の追いつく限りは毎日 21:00 更新を続けて参ります。

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― 新着の感想 ―
畑無いの?馬糞藁落ち葉もったいない。
[良い点] ☆4装備は売却可能でよかったねw 重なり過ぎて聖剣より強い『☆4 鉄の剣+99』とかになったら悲しいしw
[気になる点] ガチャから内容が減ることはないのかな? さすがに聖剣持ってるのに銅の剣とかいつまでも出るのはツライだろうね。 馬の糞は必要ですが。 [一言] もう廃人一直線じゃないかw ガチャマスター…
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