第38話 地獄の特訓
交渉の結果、☆5の武器は俺が貰いそれ以外の価値のある物はギルドが貰うという事で決着となった。☆5以外で俺の手元に残ったのは馬の糞と腐った肉、ただの石ころと枯れ葉だけだが、俺としてはタダでガチャが引けたので文句はない。
それから俺はトーニャちゃんと共同でフリオの討伐依頼を受けることになった。討伐報酬は 50 万マレでそのうち俺の取り分は 5 万マレだ。
俺が断魔の聖剣で倒すという話になっているのにも関わらず報酬が折半ではない理由は、俺がトーニャちゃんに特訓をしてもらうからだ。
今の俺の実力では装備に守ってもらう事しかできず戦うことなどできないことは明らかだ。そのため、依頼の間にAランク冒険者であるトーニャちゃんに特訓してもらい、戦う力を身につけようというわけだ。
ガチャをもっと引いてステータスを強化できればいいのにとは思うのだが、さすがにこれ以上ギルドからお金を出してもらうわけにはいかない。だからといって自腹が切れる程の余裕はもちろんないのだ。
そんなわけで、俺たちは南の草原へとやってきた。
ここは以前、グラスウルフの討伐依頼が出ていた場所だが今は特にこれといった依頼は出ていない。たまにEランクの冒険者が毛皮や肉を求めて狩りをしているのを見かける程度だ。
「それじゃあ、ディーノちゃんがイイオトコ♡になれるように、あたしがしっかりと特訓してあげるわヨン」
「よろしくお願いします」
「いい返事ね。それじゃあ、まず走って貰うわン。ここから南門まで走って十往復してちょうだい」
「へ?」
十往復? いやいや。片道 2 km くらいあるんだが。
「どうしたのン? 大事なのは足腰よン」
トーニャちゃんそう言って俺の腰からお尻、そして太ももにかけてさわさわと撫でまわす。
「ほら、こんなに柔らかくて女の子みたいよン? そうそう、言っていなかったけどあたし、可愛いオトコノコ♡も大好物なのよ」
そして俺に体を密着させてきた。
「修行しないのなら、イイコト♡しちゃう?」
「い、いえ! 修業します! 走ります!」
身の危険を感じた俺は慌てて走り出したのだった。
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そうして十往復を終えた俺はへとへとなり、トーニャちゃんの前にへたり込んだ。
「あらン? 休んでいる暇なんてないわよン? それとも、イイコト♡するのン?」
「い、いえ。修行をお願いします!」
「んふふ。いい子ね」
慌てて立ち上がった俺を見たトーニャちゃんはそう言ってぺろりと舌なめずりをした。
「じゃあ、まずは剣術の基本を教えるわよン」
「剣術、ですか? その一応スキルはあるんですけど」
「そういう勘違いをする子って、とっても多いのよねン。でも、それじゃあダメなの。スキルは所詮スキルでしかないから決まった動作しかできないのよン。だ、か、ら、きちんと体を鍛えて、テクを覚えて駆け引き覚えて、それでちゃあんとイカせられるようにならないとダメよン。上に行けば相手もスキルを持っているのよ? そんな時、自分の引き出しを増やしておかないとディーノちゃん、イカされちゃうわよン」
なるほど。そういうものなのか。言われてみればそうかもしれない。
だが、その言葉のチョイスはどうにかならないものだろうか?
「わかりました」
そんな思いをぐっと飲み込み俺は素直に返事をすると、トーニャちゃんは獲物を見るような表情でニヤリと笑みを浮かべた。
「んふふ。素直なのはイイコトよン。さ、はじめましょ」
そうしてトーニャちゃんは微妙に俺と密着しながら手とり足取り腰とり、そしてついでに尻を触りながら剣術、そして体術の基本の型を教わった。
それから昼食を挟んで午後は魔法に関する修行だ。特に MP の強化をしないことには始まらないのでメラニアさんの言っていた瞑想を詳しく教えてもらった。
精神を統一して体内にある魔力を感じ取って操るというあれだが、トーニャちゃんは俺の体をさわさわと触りながら教えてくれた。
非常に身の危険感じる手つきなのだが、確かに触られた場所に自分の魔力があることを感じられる。そしてトーニャちゃんに触られることで魔力を上手く扱えるように誘導してもらっているのが実感できるのだ。
さすがAランク冒険者だと感心するところなのだがどうにも無性に悔しい気分になるのは一体なぜだろうか?
そして夕方になると今日やったことの反復練習をすると閉門される前に町へと戻るのだった。




