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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第一章

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第32話 フリオの暴走

 夕方となり残党狩りを切り上げて町へと戻ってきた俺たちの目に飛び込んできたのはいつもの町並みではなかった。


 町のあちこちから火の手が上がっている!


「カリストさん!」

「ああ。冒険者ギルドに急ごう!」


 俺たちは大急ぎで冒険者ギルドへと駆け込んだ。そしてそんな俺たちの姿を見つけたセリアさんが安堵の表情を浮かべている。


「カリストさん! 『蒼銀の牙』の皆さんにディーノさんも! よくぞご無事で」

「セリアちゃん。一体何があったんだい?」

「それが、領主様の軍の詰め所で大きな爆発があったんです。それから町の警備をしている衛兵さんが次々に襲われているみたいで……」

「一体誰がそんなことを?」

「わかりません」


 セリアさんはそう言って不安そうに首を横に振ったちょうどその時だった。ギルドの扉が乱暴に開かれる。


「次は冒険者ギルドだ」


 聞き覚えのある声のはずなのにぞっとするような冷たい声が聞こえてきた。


「フリオ! お前!」


 俺が振り返って目にしたその姿は俺の知っているフリオではなかった。フリオの手にはどこかからか奪ってきたのであろう血濡れの剣が握られており、その体は黒く禍々しいオーラに覆われている。そしてその瞳が血のように赤く、妖しく輝いており、まるで蛇のような縦長の瞳をしていたのだ。


「フリ……オ、なのか?」

「ん? ああ、ハズレ野郎もいるとは丁度いい」


 俺の問いには応えずにフリオはそう言うと俺に冷たい視線を向けた。その視線は今までのような理不尽な憎悪が含まれたものではなく、まるで道端に捨てられた汚物でも見るかのようなだ。


「フリオ君だね? その血濡れの剣はどうしたんだい? ギルド内での抜剣は禁止だよ」

「あ? 邪魔だ」


 フリオはそう呟いてカリストさんに視線を向けるや否や黒いオーラが形を変えた。そして次の瞬間、まるで槍のように伸びたその黒いオーラがカリストさんの脇腹を貫いていた。


「な!? がっ、はっ」

「カリストさん!? カリストさんっ!」

「ちょっと! 今の何? こいつはヤバいわ。メラニア! 早く治癒を」

「はい!」


 動転した俺を尻目にルイシーナさんがメラニアさんに素早く指示を出し、メラニアさんもすぐに治療を始めた。


「セリアちゃん! 早く支部長を!」

「はい!」


 一方のリカルドさんは背後にいるセリアさんに指示を出し、そして盾を構えてカリストさんとメラニアさんを守る様に前に出る。


 そうだ。こんなところで慌ててちゃだめだ。


「なんだ? 雑魚が歯向かうのか?」

「よくもカリストを!」


 ルイシーナさんが魔法を水の矢を出現させ、そしてフリオに放った。


 しかしフリオはそれを避けるそぶりすら見せない。そして水の矢はフリオを捉える!


「やったか!?」


 俺が思わずそう叫んだが、フリオは何事もなかったかのように悠然とその場に立っていた。


「死ね」


 フリオのオーラが妖しく(うごめ)き、次の瞬間に黒い槍がルイシーナさんに向けて放たれる。


「させるか!」


 リカルドさんがとっさに体を入れて手にした盾でルイシーナさんを庇った。完璧な動きをしたリカルドさんだったが、その結果は予想だにしないものとなった。


「がっ!?」

「え?」


 リカルドさんが苦しそうな声をあげ、そしてルイシーナさんも唖然とした表情を浮かべていた。そしてフリオの放った黒い槍はリカルドさんを盾ごと貫いてさらにルイシーナさんの右肩に突き刺さっている。


「ばか、な」

「ああああああ」


 リカルドさんはそのまま力なく倒れ、ルイシーナさんは右肩を抑えて絶叫した。


「リカルドさん! ルイシーナさん!」


 あまりの事に俺も一瞬何が起きたのかわからなかった。そして俺はこのピンチをどうすれば切り抜けられるのかが全く分からず、ただただ二人の名前を呼ぶことしかできなかった。


「ディーノ君、逃げるんだ。あれは僕たちが勝てる相手ではない」


 カリストさんが立ち上がるとそう俺にそう言った。メラニアさんは重症のリカルドさんに治癒魔法を掛けようと近づく。


「ああ、お前は邪魔だな」

「させるか!」


 カリストさんがメラニアさんに攻撃をさせまいとフリオに切りかかった。その剣は確かにフリオを捉えたのだが、フリオの纏っている黒いオーラがカリストさんの剣をいともたやすく受け止める。


「なんて硬さだ!」

「邪魔だ!」


 剣が通らなかった事にカリストさんが驚愕の声を上げ、そしてフリオが血濡れの剣を一閃した。


「が、はっ」


 その一撃をまともにくらってしまったカリストさんは血を流しながら再び崩れ落ちる。


「カリストさん! フリオ! お前!」


 怒りに我を忘れた俺は腰に差した鋼の剣を手に構える。


「次はハズレ野郎か。ハズレ野郎如きが俺に勝てると思っているのか?」

「黙れ! カリストさんはお前みたいな奴にだって! カリストさんをよくも!」

シングユー様より、「諸君、私はガチャが好きだ」と題しまして素敵なレビューを頂きました。あの少佐の名演説のリズムに乗せてガチャと本作の楽しさをご紹介いただいております。何となくガチャを引きたくなる楽しいレビューを頂きましてありがとうございました。


なお、皆様におかれましてはガチャの深追いにはどうぞご注意ください。

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