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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第二章

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第二章第45話 剣姫 vs. 謎の魔物(後編)

 俺の心配をよそに、エレナは雨あられのように降り注ぐ電撃の中を縫うようにしてすり抜けていく。


 どうしてあんな神業ができるのかは分からないが、エレナにとってはできて当然のことなのだろうか?


 そんな中、魔物の左前方から一本の氷剣が猛スピードで魔物の顔面を目掛けて飛んでいく。


 それに気付いた魔物は左前脚で剣を叩き落としたが次の瞬間、魔物は目を見開いて唸り声をあげた。


「グガァァァァァァァ!」


 気付けばいつの間にかエレナの最後の氷剣が先ほどエレナが斬りつけた首の傷口に深々と突き刺さっている。


「ふん。かかったわね。これで終わりよ! 氷刃の磔刑(たっけい)!」


 エレナがアーツを発動すると魔物に突き刺さっていた氷剣が光を放った。氷剣はすぐにその大きさを増し、魔物の全身を貫く。


 巨大化した氷剣に貫かれた魔物は完全に串刺しとなっており、その動きは完全に止まった。


「カリストさん! リカルドさん! 今です! って、ええっ!? 何でそんな遠くにいるんですか!」


 さすがのエレナも俺たちが遠く離れていたことに気付いていなかったらしい。


「ガァァァァァァ!」


 魔物は巨大な咆哮を上げるとぶちり、という音と共に自分の肉体を引きちぎって巨大な氷剣による串刺し状態から脱出してきた。当然、体中から大量出血している。


「あれだけの手負いならどうにかなるんじゃないですか?」


 俺はカリストさんに尋ねる。


「いや、そうでもないみたいだよ」

「え?」


 カリストさんにそう言われてよく見てみると、その傷がすさまじい勢いで治っていく。


「そんな!」

「グルルルル」


 すぐに傷などなかったかのような状態へと戻った魔物は低いうなり声を上げる。


「これは……撤退だね。エレナちゃん! 撤退だ!」

「くっ……はい」


 エレナはそう短く答えるとひらりと俺たちのほうへと戻ってくる。だがすぐに魔物は咆哮を上げると大きく息を吸い込んだ。


「ガァァァァァァ!」


 魔物が咆哮を上げると衝撃波が俺たちのほうへと飛んでくる。


「俺の後ろに!」


 俺は断魔の盾を構えて衝撃波からメラニアさんを守った。


「あら。あんた意外とちゃんと守れるのね。やるじゃない。見直したわ」

「え? エレナ?」


 俺の後ろにいつの間にか潜り込んでいたエレナがそう言った。


「撤退なんでしょ? それともまさかあたしにまた一人で突っ込めっていうの?」

「いや、そういうわけじゃ……」


 余裕の表情のエレナがいつもの様子でそう言ったことになぜかは分からないが安堵を覚える。


「何よ? 変な表情して」

「いや。何でもない」

「ぐっ! くそっ!」


 そんな会話をしている間に俺たちのほうへと迫ってきていた魔物が今度はリカルドさんに襲い掛かっている。


 リカルドさんはルイシーナさんを庇って大盾でその巨大な前脚から繰り出された攻撃を受け止めている。


「あ! ヤバいわ!」

「ぐあっ!」


 エレナがそう言ったのとリカルドさんが吹っ飛ばされたのはほぼ同時だった。


「リカルドさん!」

「エレナちゃん。すまないけど陽動を頼む! ディーノ君はリカルドを運ぶのを手伝って! メラニアとルイシーナは通路まで撤退!」

「「はい!」」


 俺たちは短く返事をするとそれぞれの役割を全うするために動き出す。


「リカルド! しっかり!」

「リカルドさん! 動かしますよ!」


 俺はリカルドさんの足を、カリストさんがリカルドさんの腕を持って持ち上げようとしたその時だった。


『ディーノっ! ただいま~』


 先ほどまでずっと姿の見えなかったフラウが呑気な様子でやってきた。


「フラウ?」

『って、あれ? リカルドどうしたの? あれ? あれ? あーっ! なんでこんなところにベヒーモスがいるのっ!?』

「ベヒーモス?」

「え? ベヒーモスだって!?」


 フラウに聞き返した俺の声にカリストさんが反応した。


「カリストさん。知っているんですか?」

「知っているも何も! ベヒーモスといえば災厄の魔獣とも呼ばれる強力な魔獣だよ。ダメだ。これはとてもではないけど僕たちの手には負えない。リカルドを早く運んでエレナちゃんも下げないと!」

『あーっ! エレナが戦ってる! ダメだよっ! ディーノっ! 早くあたしを召喚してっ!』

「フラウ!? どういうことだ?」


 そう尋ねつつも俺はちらりとエレナの様子を見る。かなり派手にアーツを使ってしっかりと引き付けてくれているようで、ベヒーモスとやらを闘技場の奥へ奥へと誘導するように戦ってくれている。


『ベヒーモスは今のエレナじゃ無理なのっ!』

「無理?」

『ああっ! もうっ! いいから早くっ! エレナが死んじゃうよ!』

「わ、分かったよ。でも、危ないことはするなよ」

『うん! わかってるよっ!』


 俺が召喚するとフラウは淡い光に包まれる。


「フラウ君」

「カリストっ! 話はあとだよっ!」


 そう言うとフラウはものすごいスピードでエレナのほうへと飛んでいったのだった。

次回更新は通常通り、20201/05/04 (火) 21:00 を予定しております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新早くて大好きです 特にガチャの描写が大好きでガチャ回心待ちにしてます [気になる点] 断魔装備とか凸ってましたけど完凸とかあるんだろうか [一言] 前の方の感想のおかげでディーノ君の…
[良い点] 更新ありがとうございます。 [一言] フラウ電「ぬぅ!あれはベヒーモス!」 ディーノ「知ってるのかフラウ電!?」
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