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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第二章

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第二章第43話 再びの地下闘技場

休みを終えて迷宮に戻った俺たちはすぐに攻略を再開し、ついにあの地下闘技場へと足を踏み入れた。


 まずは少数精鋭で様子を見ようということで、『蒼銀の牙』の四人にエレナと俺を加えた六人で挑んでいる。


 一直線に伸びる長い通路を抜けた先にあり、観客席まで備えている明らかに迷宮には必要ないであろう謎の地下闘技場だ。


 前回は悪魔の力に染まったフリオが待ち構えており、トーニャちゃんが冒険者生命を断たれてしまった因縁の場所だ。


 最大限の警戒をして足を踏み入れた俺たちを待っていたのはただのだだっ広い空間だった。がらんとした広い闘技場に動くものはなく、俺たちの足音と息遣いが響き渡る。


「ねぇ、ディーノ。ここがフリオとあんたが戦った場所なわけ?」

「ああ。たしか、フリオに最後の一太刀を浴びせたのはあの辺りだったかな」

「ふうん?」


 エレナは俺の指さした場所に向かって歩いていく。


 カツーン、カツーンとエレナ足音が闘技場内に大きく響き渡る。


「何もないわね」

「そりゃそうだ。もうひと月以上前だからな」

「そっか。そんなに前なのね」


 そう言うとエレナは剣を抜き放った。


「え? エレナ?」

「来るわよ!」


 俺が意図を尋ねる前にエレナはそう叫んだ。


「ディーノ君! 来るよ! 隊列を!」

「え? あ、はい!」


 今度は俺にもわかった。闘技場の俺たちが入ってきたのとは反対側の入口から何か巨大な魔物が走ってきている音が聞こえる。


 俺は急いで断魔の聖剣を抜き放つとメラニアさんを守るべくその近くへと移動する。


「グオォォォォォォォォ!」


 咆哮を上げながらとてつもなく巨大な魔物が俺たちの目の前に姿を現した。


 四足歩行であるにもかかわらず見上げるほどの巨体はどのくらいの大きさだろうか?


 高さだけでも五メートル以上はありそうだ。となるとあの巨体は十メートル、いやもっとかもしれない。


 そんな巨体は筋骨隆々としており、その表面は黒っぽい紫色をしている。頭には一対の巨大な角が生えており、その顔は狼と熊を足して二で割ったような顔つきだ。まるで棘のように鋭く尖ったたてがみを持ち、さらに長い尻尾にもいくつもの巨大な棘が生えている。


 あの尻尾の一撃をくらえば確実に一撃で命を落としそうだ。


「何よ、こいつ! こんな強そうなのがいるなんて聞いてないわよ?」

「あの魔物は一体?」

「わからない。僕たちも初めて見る魔物だね。これは……!」


 そう言いながらもカリストさんとリカルドさんが前に出る。


「いいか! 無理すんなよ!」

「ええ! わかってます!」


 そう返事をしたもののエレナは先手必勝とばかりに巨大な魔物に斬りかかった。


 エレナは素早く足元に潜り込むと目にも止まらぬ速さで何度も斬りつけるとすぐさま離脱した。


「……これじゃダメね」


 そう呟いたエレナの言葉通りのようだ。エレナが斬った場所の表皮こそ傷ついているものの、ほとんど血が流れ出ていない。これでは致命傷を与えることはできないだろう。


 魔物は大きく息を吸い込む。そして次の瞬間、闘技場の天井のほうに赤い光が現れた。


「え?」

「なん……ですの? あれは?」


 思わず見上げたその先には巨大な岩が浮いており、真っ赤に輝いている。


 あれはまさか、隕石か?


「あれは危ない! みんな、避けるんだ!」


 その岩はすぐに動き出し、エレナのほうを目掛けて猛スピードで一直線に飛んでいく。


「っと。危ないわね!」


 エレナは大きく飛んでその岩を避けた。岩が床に激突するとドスンという重たい衝撃が突き抜け、それと同時にものすごい熱が俺たちを襲う。


「わっ。何? 何なの? この魔法は?」


 ルイシーナさんが熱に顔を歪ませながらそう叫ぶ。


「これは、土属性? いや、でもこれほどの熱ということは火属性かもしれない」

「なら! どっちにしろ水属性が効くはずよね!」


 そう言ってルイシーナさんは得意魔法である水の槍を放った。三本の水の槍は一直線に飛んでいき、魔物の顔面へと吸い込まれていく。


 バシャリ。


 水の槍はまるで魔物の鼻先であっさりと形が崩れ、ただの水となって床を濡らした。


「え? う、うそ……」


 ルイシーナさんは目を見開いて驚愕する。


「グオォォォォォォォォ」


 魔物が咆哮をあげると今度はその巨体の周りが白く輝くとやがて帯電し始めた。


「な、なんなんだ? 今度はなんだ?」

「リカルド! 避けるんだ!」


 カリストさんが叫んだのと同時に電撃がリカルドさんのほうへと飛んできた。


「うおっ。危ねぇ」


 間一髪でリカルドさんはそれを躱した。だが、あれを連発されて果たして避けきれるだろうか?


「いい加減にしなさいよね! 『剣の舞』」


 エレナはアーツを発動させると合計で十本の氷の剣を作り出すと、それをかなり広く展開した。


 この戦い方は今まで一度も見ていないやり方だ。一体どうするつもりなのだろうか?


「さあ、これならどうかしら?」


 エレナはそう言って魔物に向かって駆け出し、一気に距離を詰めたのだった。

次回更新は通常通り、2021/04/30 (金) 21:00 を予定しております。

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― 新着の感想 ―
[一言] そういえばフリちんオはどうなったんだろ…
[良い点]  100話の大台に乗りましたね。 [一言]  100話記念でガチャに何か面白アイテムでも……って、 それどころじゃなかった!!
[良い点] 更新ありがとうございます。 祝100話! これからもガチャガチャに命運を託して逝こうぜ! [一言] ボス戦だ!
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