表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/13

学祭スターティン!



さあ、迎えました『学祭』当日。


寄ってらっしゃい見てらっしゃい。



書記 兼 設営 兼 買い出し 兼 売り子 兼 後片付け 兼 運営との橋渡し役の僕はその日の朝、炊飯器のセッティングなどで走り回っていた。



え? 役職が多すぎる? 押しつけられている?


いや、そんなことはない。新聞紙の件は弓月さんに、サーターアンダギーの件はすみっこパイセンに、そして苦情受け付け係(CEO)は、神田川先輩に任せてある。



だが、まあ。ぼっち学祭なのではないか? そう思われるのも無理はない。


なんせ書記 兼 設営 兼 買い出し 兼 売り子 兼 後片付け 兼 運営との橋渡し役。


しかも、サークル員は11人もいるのに、主要4人以外は、影が薄いってか、透明人間の扱いだもんな。記憶力の悪い作者の都合だろうけど、ってかいつまでこんな状態なんだろう?



うん、ぼっちだ。それらの事情を鑑みれば、確かにそうなのかもしれない。泣けてくるな。


寂しくて?


いや違う。


情けなくて?


いや違う。


女子 1: 男子 3(+ノラロウ 雄 1 )


主要登場人物のこの図式がキツイ。もう一人くらい、女の子をくれえええぇえ。(叫べ‼︎)




それはそうと、僕はテントの中で机を並べたり、看板を立てたりして、大忙しなんだ。



『読書サークル研究会 白飯&サーターアンダギー即売会・弓月花音名人による新聞紙講習会 他』



この看板は、題字の周りをノラロウの肉球スタンプを借りて(それ以来ノラロウの姿を見ていない←酷い目にあった)、他とは少し趣向の違う、趣ある看板にしたものだ。


女子大生はとかく、猫の肉球に弱い。


猫を見ると、すぐにキャワユーイと言って、追いかけ回す習性がある。いわゆる母性本能がくすぐられる、というやつだ。


その母性本能を刺激する看板になったのは、間違いないだろう。


僕のアイデアだぞ。えっへん。


ただ。


肉球スタンプの時、ノラロウが嫌がって暴れたため、ところどころが破れたり、スタンプに使った書道の墨汁が、あちこちにベチャとついていたり、出来栄えはあまり良いとは言えない。


ホラーと言われれば……ホラーのジャンルに入る、のかも、しれない。



だが、お化け屋敷と間違われなければ、それでいい。(いつもの肯定)



「さあ、いらっしゃいいらっしゃい」

「ちょっとそこのお兄さん、寄ってってー」

「うちの○○○は絶品だよ! 買った買った」  

         ○○○の例→唐揚げ、バナナ、リンゴ、ゴリラ、ラッパ etc。



お客さまの入りも上々、威勢の良い掛け声が聞こえ始めた。


僕は、10台すべての炊飯器を確認していく。


その中のひとつをパカっと開けてみると、白い蒸気がほわほわほわーっと辺り一面に漂った。


うちのテントの隣を陣取っている、インド研究会、略してイン研のメンバーからも、おおおっとどよめきが起こっている。


なんだって? イン研はカレー&ナン? それに加えてタンドリーチキンだと?


タンドリーは間違いなく美味いが(好物)、日本人なら、米! 米を食うんだ! 見ろ、このツヤツヤで光り輝く、白ごはんを!


ははーーーと、その場でひれ伏さねばならぬ。


白米さまは、古代エジプトの神、ラーのような存在なのだ。


日本古来の稲の神、ベィー。(米)


「そこを通る者よっっ、いったいどういうつもりで白米ホワイトベィーさまの前を、そのように軽々しく横切れるのだっっ。ひれ伏せ、愚民どもよ」


「ちょ、神田川先輩、やめてくださいよ。ほらあ、みんな逃げてっちゃうじゃないですかあ」


僕は、呆れながらも、炊きたてご飯をシャモジでかき混ぜては蓋を開け閉めするを、10台、すべてで繰り返した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 『ホワイトベィー』 もうダメだ。コンビニのイートインスペースなのに笑いが止められないwww私の社会性終わりましたwwww
[一言] 砂礫様の50分後に追いつきました。 相変わらず楽しいですね。
[一言] 追い付きましたー! 読書サークルとは思えない内容にwww 普通に読書喫茶とかにならないところがさすがですw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ