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魔王になんて、なりたくない!!(泣)  作者: 雪ノ宮リアノ
第壱章 転生から始まる物語
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駄女神ざまぁ(笑)

 


「そういえば、あることをしてもらうって言ったって何をするんだ?」


 さっきから気になっていたのだが…


「あ、聞いちゃいますー?聞きたいですよね?どうしてもって言うなら教えてあげてもいいですよー?」


 う、ウゼー! 

 貴方…頼む立場ですよね?


「やっぱりいいです」


「すみませーん!ごめんなさい!調子に乗りました!謝るから聞いてください!」


 女神様が謝りながら俺の足下に引っ付いてきた。

ええぃ!放せ!ってかそこ、俺の足だったのか。

 触れられる感触はあっても実感がないから不思議だ。


「はぁ、わかったからそんなに引っ付くな」


 そういうと、女神様はこほんと軽く咳払いをした。

 仕切り直しで取り繕うとしてんのかな?

だったら最初からそうしろよ!って喉元まで登ってきたのを堪えて話を促した。


「分かりました。実は私が管理している世界は2つあり、そのうちのひとつがこの地球です。でもう1つの世界はアスフィアて言うあなたで言うならば剣と魔法などの世界ですね」


 キタッ!やっぱりテンプレだー!

 剣や魔法の世界なんて、非科学的で本とアニメの世界だけかと思ってたが、遂に生で見れたり使用出来たりするんだ〜。

 

 ふ〜。落ち着け自分。ここは知的に…

 ここでチートくれとか言うと絶対に後悔することになる。


 何故なら、こんなちんちくりんでも一応は神だ。

そんな神相手に傲慢な態度をとってはチートは愚か、この場で魂ごと消滅させられてしまうかもしれないからな。


「やっぱり世界て言うのはいくつもの次元があるものだな。いわゆるパラレルワールドってやつか。」

 

 よし!完璧!

これで好印象というか、スマートな感じに見えただろう。


「あの〜。先程のように心の中の声、聞こえてますし、パラレルワールドと異世界は別物なんですけど…」


 あれ?おっかしいなぁ…


 「ともかく、この世界(アスフィア)を…」


 「その世界を?」ゴクリ…


 「魔王になって統一し、平和な世界にしてほしいのです!」


 ・・・・・・・・・・


「成る程ね~」


「してくれますか?」


「いいよ!任せて!って!言う訳ないだろ!」

 

 どこが手かわからないが取り敢えず頭にチョップを下す。


「あう!?」


 いやなんで?しかも、よりよって魔王!

勇者なんか来たら死ぬパターン確定じゃねーか!なんでわざわざ転生してまで死に行かなくちゃならんのだ!討伐されちゃうよ!


 それにさぁ、他に王様とかでもよくない?統一なんて、魔王以外にも出来ると思うんだけど、そんなことより…


「まず、女神様が出たらちゃちゃっと解決するだろ!」


「それがですね~私達神は、直接地上に干渉することが禁止されているのです!」


「誰に?」


「創造神様によって…」


「でも地球と同じくらいに見守ってはいたんだろ?そんなに酷い世の中じゃないんだろ?」

 

「そっ、それがその~」


「それが?」ジー


「えっと、あの…」


「ハッキリと言えや!」チョップ


「あう!?分かりましたよ~実は…」


「実は…」ゴクリ


「地球ばっかり見ててそっちのけしてました。」テヘペロッ!


 この…女神…もとい駄女神がぁぁあ!


「ふざけんなー!!」


「だって!地球はこっちの世界なんかよりも文明や技術が発展してるし、週一の楽しみの金曜ロードSHOWを観なきゃ女神なんぞやってられないです!」

 はぁ、聞いた俺が馬鹿だった。こいつはかなりのポンコツで駄女神だわ。


「で?チートスキルは貰えんの?」


「はい!この【大陸言語】と【アイテムボックス】が貰えます」


「他には?」


「ありません」

 これだけでどうしろと言うんだこの駄女神は?


「まあ、とりあえず頑張ってください!」

 他人ごとのように言いやがって!!

 


 俺がイラついてこのドチビ駄女神をブッ飛ばそうとすると、急に震え始め俺の方を指さした。

 ブッ飛ばそうとする気持ちを抑えて、指さした方向に目をむけるといかにも神様って雰囲気の白い長い髭を生やした老人がいた。

『これ、ゼウスや』


「はっ!はい!!」

 この女神がゼウス!?ゼウスってば男じゃなかったっけ?


『ほっほっほっ、それはあくまでも地球でだけなのじゃ。神には性別がないからの~これが普段のゼウスじゃ』

 こっ心読まれた!?ってそっか神様だからか。


『ほっほっほっ、それでゼウスや』

 

 白髭を生やした神様がこの女神こと、ゼウスを呼ぶと、態度を一変し、ピシッとした態度になった。

 

 …おい!さっきまでと全然違うぞ!


「はい!!創造神様!」


 緊張しているのか、声がうわずっている。


『お主、ここ最近サボっておるな?』


 その問いかけに対しゼウスは…


「そっそんなわけでは」


 滝のように汗を垂れ流し、目は明後日の方向を向いている。


 サボってたんだね。ロードSHOWじゃ飽き足らず、普段からサボってたんだね。


『この者と一緒に下界に行って、一からやり直してくるがよい!お主の管轄である世界はワシが管理するが良いな?』


「そっそんな~」


 そりゃ怒るわな。大事な役目をすっぽかすなよ…

ってえぇ!?俺の転生にこの女神まで付いてくんの…どこぞの女神みたいな感じだったらやだなぁ…でも断れそうにない雰囲気だし…どうしよ。


『そこの鬼の魂や』


 お、おれ?


「は、はい!!」


『お主には期待しておるから【闇黒系全魔法】を授ける』


 期待?なんか期待されるようなことしたかなぁ…


「あっありがとうございます」

 いかにも俺の中二心をくすぐるスキル?を貰ったが正直言ってめっちゃ嬉しい!

 さっきのスキル?だけじゃとても不安だったからなぁ。


『フォッフォッフォッ』

 創造神様が杖をかざすと意識がブラックアウトしてきた。暗くなる視界の中、あの駄女神にこれだけは言っておきたい!


「駄女神ざまぁ(笑)」


 すると駄女神もブラックアウトする中でもまた怒っていた。


 そこで俺の記憶は途切れた…



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