プロローグ
俺の名は百目鬼大和。どこにでもいる男子高校生だった…珍しい苗字だがらクラスでは浮いていたほうだったな…
なんならあだ名とかで百鬼◯とか言われてたな…
まぁ、それは置いといて、なんでさっきから「だった」など過去形かって?
それは…遡ること今から1時間前…
「ゴホッゴホッ!38.5度、まだ高いな~。まさか!新型のウイルスだったりして!まさかね~」
…と、この時はまだ軽口を叩いていて、そんでもって家族に感染しないように最善の注意をしながら自分自身を介抱していた。
…世間的に見たら今すぐ検査しろとか言われるけど、生憎とそこまで大事にはしたくない。妹にまで迷惑をかけてしまっては兄としてメンツが立たないし、何より受験シーズン真っ只中。
だから尚のこと俺のせいで、濃厚接触者扱いなって授業に遅れが生じたら申し訳ないしな。
とかなんとかかんとか、そうこうしている内に次第に瞼が重くなってきて気がついたら辺真っ白なこの空間にいたってわけだが…
ん?随分余裕があるねって?んな訳あるかー!
めっちゃ悔いのある人生だわ!やり残した事なんて山ほどあるし、それにベットの下にあるダンボール箱とかアレを処分する前に死んだとか家にいる親や妹に顔向けできん。死にたい…って死んでたわ。ってかほんとに死んだ…?
後遺症の影響で脳がバグって、潜在空間やらなんやらにいま意識がある状況とか…?
一人で葛藤していると、目の前が突然光だして徐々に女性の体が出来上がっていった。
およ?
俺だってさ、わかるよ?伊達に男子高校生だった訳じゃないよ?流石に、テンプレっしょ?
俺は内心ウキウキしながらどんな綺麗な女神なのかワクワクしてると目の前に金髪の腰までストレートな髪に同じ色の瞳をもつ美しい女性と言っていいのかわからないちんちくりんな子供がいた。
「誰がちんちくりんな子供ですか!私は女神です!」プンプン
と、自称女神が現れたのだった。
「ムキー!!自称とはなんですか!自称とは!失礼な人です!」
まっまさか!俺の心の声が聞こえてる!?
すげー、女神様すげー。
と、取り敢えずご機嫌を損ねないように月並みな賛辞を心の声で発する。
しっかし、この空間はなんだ?手足もないし、浮いてるような感覚…
「クラスの方でも浮いていたが、これほど浮いた感覚は初めてだ…」
…ってやかましいわ!
なに人のモノローグを勝手に語ってんだよ!!
「ようやくわかったのですか。ハァー、呆れた人です。ちなみにここは生と死の間の空間で、私が創った空間ですから喋っても問題ないです。」
ようやくって初めての経験なんだし、そんな言い方しなくても…
「他に質問はないですか?あ!ちなみにスリーサイズはヒミツです!」
スリーサイズとか守備範囲外なんで興味はないが。
…ってか改めて俺、死んでたんだな…
「あなたは死んだんですけど、さっきから輪廻転生の輪が混雑してめんどくさかった上にそこから零れたあなたの魂を元の位置に戻すのもまた面倒。
…ということなので、あなたには記憶を引き継いだまま、あることをしてもらおうと思いここに引っ張りました。」
ジャジャーン!!
…ふざけてんの?貴方、女神だよね?なら面倒臭がってんじゃねーよ!
「この胸無しペッタンコの貧乳女神!」
あっ、つい声に出た…
「ムキー!、せっかく優しく接してあげてるのに!」
…優しく?
…なにが、優しくなのだろうか?
それに、めっちゃ上から目線の癖に面倒臭いってあんた女神だろもう少しちゃんとしたらどうだ。
確かに神は敬うべきなのかもしれない…
ただし、テメーはダメだ!!
「なんでぇ!?私女神ですけど!?」
なんとなくかなぁ…