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地球の植民  作者: でうく
第Ⅱ章:『マーシャル』の秘密兵器
12/33

新章序章―――バッキーの独白―――

この頃、この家には誰も居ない。久し振りに早く帰って来て、私は気づいた。


――いや、今日が偶々(たまたま)居なかったからそう感じただけかも知れない。確信は出来ない。論じるだけの確たる根拠が無い。


だが、この殺風景の白い部屋は、普段から人が居ない様な冷たい空気が流れていた。様に感じる。


(かつ)て同志だった者からは、こう言われていた「お前は、科学者らしくないのだ」と―――

私がそう言われる遠因は、私がこう()って感覚的な事を(たま)に言うからである様だ。

裏付や証拠も無いのに今回の火星物語の様な仮説を立ててみたり、妻の理由の無い怒りに落ち込んだ状態で会議に出席したりと、衝動的で感情的な面が私にはあるらしい。

私は他人にその様な事は言わないが、他人から見て非常に分り易い人間の様だ。



そして、私は少しひやひやしている。



あの日、アンに責められたあの時から、彼女が何処か遠くへ()ってしまう様な

だが、私はここに居ない方がいい様な


彼女が離れて往ってしまう事の不安と

彼女に言われる侭に研究を続ける事の疑問が入り雑じる




私は、一体如何(どう)したらよいのだろう―――・・・




私は今日も、汚れた白衣を壁に掛け、真白な室内への一歩を踏み出す


物体が、総ての波長の可視光線を100%乱反射する時、その物体は白いと云う


乱反射した膨張色のこの部屋は


X線以上に総てを透してゆきそうで、怖ろしくはない、違和だけが残った

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