陽葵お姉ちゃん
俊君のことが好きになったのはいつからだろう。ずっと一緒に育ってきた。血の繋がった姉弟。
そんな禁断の恋が始まったのはいつだろう。
思い出せないや、気づいたら好きになってた。他の姉妹達よりも早く私は俊君の事が好きになってたはず。
だからいきなり親の再婚で姉妹が増えるのが嫌だった。取られる!私の好きな俊君が他の人にも知られちゃう!そう思ってた。
実際みんな俊君のことが好きになったみたい。1番常識人な結菜お姉ちゃんですら俊君の事が気になってるみたいだから俊君の魅力はすごい(ブラコン眼)
姉弟2人の時はずっと家事をやってきた。だから6人になってもその仕事はやり続けた。少しでも家で何かして俊君にとって大事な人になりたかった。
ご飯を作れば必ず感謝される。その「ありがとう」だけで私は満足した。
「今日は大学が1日あるから帰りに買い物もしてこよう」
大学2年だからほぼ毎日大学だ。毎週1日だけ休みは作ってる。その日は家事を専念する日にしてる。
たまにお姉ちゃんと被るからその時は2人でどこかに遊びに行ったり、家でのんびりお話したりしてる。
大学で友達と待ち合わせして一緒に講義を受ける。
「陽葵、お待たせ」
「ううん、行こっか」
友達の犬塚伊緒、私と同じ講義を3つも取ってる。なにかと相性のいい女の子。黒髪のショートボブで目じりが下がっている。頭に必ずカチューシャを付けている。
「陽葵、今日は何の講義?」
「今日は国語、数学、現代社会、英語だね」
「めんどくさいね、陽葵がそれなら私も数学以外は同じだね」
「まぁ、なるべく最後の年には苦労しないようにしたいから、バランスよく取って終わらせたいかな」
「確かにそうだよね、後で地獄見たくないもん」
伊緒と一緒に教室まで行って勉強をする。
◇◇◇
家に帰ってくる。
もう夕方だ。これから洗濯物畳んで、料理もしないといけないから大変なんだよね。まぁそれが私の仕事だし仕方ないけどさ。
そう思いながら洗濯物を畳みに来たけどもう畳んであった。
きっとお姉ちゃんがやってくれたんだね。今日は午前までって言ってたし助かっちゃった。
リビングに行ってご飯の支度をするために行くと結菜お姉ちゃんはどこか上の空。俊君を膝枕してポケーっとしてる。どうしたのかな?
半分眠りかけてた俊君が私に気づいた。
「あ、陽葵姉ちゃん、おかえり、助けて」
「どうしたの?お姉ちゃんに何があったの?」
そう言って俊君に話を聞いたところ、お姉ちゃんの友達がこの前まで彼氏が欲しいと言ってたらしい。それがこの前その友達が飲みに行ったらしくて、そこで1晩過ごして新たな扉を開いたらしいって話をされて放心してるらしいとのこと。それを聞いてたら捕まって膝枕を強制されて危うく寝落ちするところだったと言うらしい。
お姉ちゃん今日の半日で面白いことを聞いてきたんだね。お姉ちゃんを我に返し、俊君の拘束を解いてもらい私はそのままご飯の支度に取り掛かる。
今日の食卓での話題はそのガールズラブの扉を開いた友達の話になって盛り上がった。
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やる気が出ます!!