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肝試し

 台風が過ぎ去り、晴れの日の夜。

 今日肝試しをすることに決めた俺たちは準備をすることにした。

 まず先にお寺に目標の物を置きに行く。

 肝試しはその目標を取って戻ってくることにした。紙とかだと風で飛んだりしそうなので消しゴムにした。

 それをお寺の賽銭箱のある階段の一番下の段の端の方に置くことにした。




 そして夜。


「じゃあくじ引きしてペア決めよう」


 陽葵お姉ちゃんが割り箸を取り出して構えた。多分これを引けばペアになっているのであろう。


 まずは俺から引いた。

 俺が引いたのは数字の1。

 それを確認した他の姉達は


「1だね、よし、出すぞ」


「やるぞー」


「俊君とペアになりたいペアになりたい」


「一緒に回りたいなぁ」


「じゃあみんな棒を持って、せーので引こう」


 姉達が棒を取り、準備が出来た。


「「「「「せーの!」」」」」


 結果は・・・・・俺と栞姉、結菜お姉ちゃんと陽葵お姉ちゃん、凛姉と葵姉のペアになった。


「うわぁぁぁ!無念!」


「はぁ、俊君と回りたかった〜」


「やったぁ〜一緒に回れる〜」


「それじゃあ最初は結菜お姉ちゃんペアが行きますねー」


 そして結菜お姉ちゃん達はお寺に向かってった。




 みんな帰ってきて最後のペアの俺と栞姉の番になった。


「それじゃあ行こっか!」


「俊ちゃん、迷子にならないように手を繋ごぉー」


 栞姉が手を出してそう言ってきたのでその手を握る。俺が怖いとかではなく栞姉が怖いと思うので繋ぐ。

 栞姉は実際案外怖がりでホラー映画や怖い話などを見るとその日の夜は俺の布団に潜り込んでくる。

 いつも潜り込んで来てるけどそれは朝方に入り込んでくるので俺が気づいてない時に入ってきている。


 いまも栞姉の手は若干震えている。先の見えない階段。月明かりとスマホのライトだけが頼りだ。風で近くの草が揺れると栞姉の体が跳ねる。

 今では手を繋ぐのではなく腕に組み付いてついてきている。


「栞姉、離れて、危ない」


「嫌だぁ、別にいいでしょ〜」


 怖い時はベタベタ張り付いてくるのでどうしようもない。

 隣に栞姉を連れながらお寺までやってきた。



「よし、この消しゴム持って帰ればおっけーだな」


「俊ちゃん、早く帰ろ」


 消しゴムを取ったあたりから周りの草木がガサガサと揺れ始める。風も少し強くなりつつあり一気に臨場感が増してきた。


「俊ちゃん、俊ちゃん、帰ろよ〜」


 栞姉も流石に限界かもうほぼ半泣きに近い状態でくっついている。


「わかった、急いでで帰ろう!」


 栞姉を連れてお寺から帰り道を急いで帰った。



 玄関前には他の4人の姉達が待っていた。


「遅い」


「何してたの?」


「風強いから早く中入ろっか」


 それぞれが文句を言いながら室内に入っていく。

 結構怖い肝試しだった。もうやりたくないな。


 栞姉は帰ってきて姉たちと風呂に入り、寝る時は俺の布団に潜り込んできた。

 あの泣き顔を見たあとに自分の部屋に行けとは言えず今日はそのまま栞姉と一緒に寝た。

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