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水族館デート(葵姉)

 夏休みに入った。

 今日は最初の土曜。今日は葵姉とデートする日になっている。


 今回のデートは葵姉が指揮を執ることになっている。俺は9時に駅に集合としか言われていない。


 朝の9時。駅に行く。葵姉は俺が出る時にはまだ靴があったので家にいたはずだから俺の方が先に着いている。

 そこでしばらく待つと葵姉がやってきた。

 青のワンピースを着て髪をサイドアップに纏めた普段とは違う葵姉がそこにいた。


「お待たせ」


「うん」


「違う!そこは俺も今来たとこって言うところでしょ!」


「そんな理不尽な!?」


「まぁいいよ、こんなことで怒っても仕方ないしね。ちょっとは待ち合わせをしてデートっぽくしたかったんだよ」


「そういうことか」


「そういうことよ」


 そのまま葵姉はその場でひと回りする。

 そして何かを期待している顔をしている。


「何回ってるんだよ、葵姉がいつもと違うのは気づいてるよ」


「それならそれをはっきり言いなさい」


「うん、新鮮だよ、今日の葵姉は綺麗だね」


「⋯⋯ふん、それでいいのよ」


 顔を赤くしてそっぽを向きながらそんなことを言う。


「さっさと行くよ!」


 そのまま電車に乗り俺と葵姉は水族館にやってきた。

 暑い日に涼しいところに行けて少しは汗も引くだろう。


「それじゃあ見てまわろ!」


 俺の手を取り近くの水槽から見ていく。

 小さな水槽にはクラゲや熱帯魚などがそれぞれ泳いでいる。

 それを見ながら歩いて行けば海の魚がたくさん泳いでいる水槽に行き着く。


 ネコザメやイワシ、といった魚が泳いでいてキラキラしている。

 普段見ることの無い海の魚。そんな魚達を見れて楽しめた。


 お昼頃になるとイルカのショーがあるらしい。

 葵姉が見たいというのでそこにやってきた。わざわざかっぱまで貰い一番前の席に座る。かっぱを着ても濡れそうで心配だ。


 開演したイルカのショーはすごい楽しい。イルカが輪をくぐったり席近くでジャンプもして水しぶきがこちらまで飛んでくる。


「きゃー!」


 葵姉は笑いながらイルカショーを見ている。かっぱを着ても完全には防げず結局少し濡れてしまった。

 ショーが終わって最後はお土産コーナーに寄ってお土産を買う。

 みんなにはクッキーを買った。

 そして俺と葵姉はお揃いのキーホルダーを買ってスマホに付けることになった。

 後々色々言われそうだなと思いながら、今日は楽しかったしそれでもいいかという気持ちでもいた。


「今日は楽しかった?」


「うん、楽しかったよ」


「ならよかった、私ね俊のことが好きだったの、知ってたよね?」


「⋯⋯うん、そう思ってたし、結菜お姉ちゃんにも言われたからね」


 誰もいない電車の中で葵姉が急にそんなことを言い出した。


「今日デートしてね気づいちゃった。私は俊のことが好き。でもそれは恋愛感情での好きじゃない。家族として好きなんだって。俊といて楽しかった。でもドキドキとかはしなかった。それは俊の事を家族としてしか見てないからなんだって気づいたの。だからさ私は俊、これからは家族として接していくから。それでも私のブラコンは変わらないけどな!」


 葵姉ちゃんは意外としっかりしていたのかもしれない。ちゃんと考えて、答えを出した。それが凄い。まぁ葵姉からのアプローチは無くなるのだろう。でも結局ブラコンは治らないらしい。まぁそれでも葵姉が今日をもって変わったのは事実だろう。

 俺達は家族だしこれからは普通に仲のいい姉弟としてやっていけたらと思う。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


葵姉離脱。それでもブラコン姉としてまだまだ出ますから。

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