お姉ちゃんズが来た!
かき氷・シラーです。よろしくお願いします。
「ジリリリリリリリリリリ」
この音を聞くだけで嫌な気分になる。これは俺の睡眠を妨げるものだ。この音が鳴ったら起きなくては行けない。毎朝脅迫を受けている気分だ。
布団の中からもぞもぞ手を出し音の正体を止める。止めたことにより音が止み至福の時間がやってきた。2度寝、俺はそれをするために布団の中に潜り直す。
━━━━━ふにゅ。
腕が柔らかいものを掴む。
むにゅむにゅ。
なんだろう。これを揉んでると幸せな気分になってくる。
「あっ、しゅん、くん」
何か艶めかしい声が聞こえてくる。
それは布団の中から明らかに人だと思う声。しかも女性だ。意識がハッキリとし布団を剥がす。
そこには案の定、お姉ちゃんが俺に抱きついて寝ていた。
「栞姉!!起きて!!」
「ううん、どうしたの⋯⋯」
目を擦りながら、首傾げて聞いてくる。その仕草に俺はドキッとしてしまった。
いつも温厚で優しいお姉ちゃん。更に狙ってるんじゃないかと言えるほどの可愛い仕草。そんな栞姉に見蕩れてしまう。
━━━━━ドタバタドタバタ。
「俊君!大丈夫!?」
すごい勢いで走り込んできて、扉を開ける一人の女性。
毎朝毎朝ほとんど同じ光景を見ている俺はそれが誰だか分かってしまう。
「陽葵姉ちゃん、おはよう」
俺が朝の挨拶をすると
「おはよう、俊君!」
笑顔になって返してくれる。
その後すぐに栞姉ちゃんを掴んで連れていく。
毎日毎日ご苦労様です。
俺も制服に着替えて、1階リビングに行く。
リビングには栞姉、陽葵姉ちゃん、結菜お姉ちゃん、が座ってご飯を食べていた。
「おはよう、俊ちゃん」
「おはよう」
俺も席に座り朝ご飯を食べる。
家にはお姉ちゃんが5人いる。
血が繋がってるのは1人だけで残り4人は血が繋がっていない。お父さんが再婚して俺は一気に4人の姉が増えた。
1番上は結菜お姉ちゃん大学4年生。彼氏なし。黒髪のストレートロングで目がぱっちりとしていてる。身長は俺と同じくらいで、胸は平均よりあるくらい、明るい性格をしていて誰とでも仲良くなれる。社交性が高く人気が高い。
次女、陽葵姉ちゃん大学2年生。彼氏なし。黒髪のセミロング。目元がぱっちりしていていつも笑ってる。俺と血の繋がった姉弟。笑顔がひまわり見たいに可愛い、家事が得意。お弁当は全員分陽葵姉ちゃんが作ってくれるので本当に感謝しかない。
3女、凛姉、高校3年生。彼氏なし。茶髪のロングポニーテールで目尻が上がってる。クールでかっこいい。生徒会長をやっている。体つきはエロいの一言に尽きる。出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでる。どの姉達にも言えるけど凛姉はその中でダントツだ。惚れる人達も多く告白をするが誰も成功した者はいない。
4女、葵姉、高校3年生。彼氏なし。金髪のツイテール。目元はつり上がっている。凛姉の双子の妹。お調子者。凛姉と似た体型をしている。刺々しい言葉をよく吐く。だがその言葉で告白をフラれた奴らは新たな扉を開いてしまっているとは気づいていない。凛姉とは正反対で問題児。
5女、栞姉。高校2年生。彼氏なし。明るい茶髪ショートヘアで目元が下がっている。トロンとした目でいつでも眠たそうな幸せそうな顔をしている。ほんわか笑顔で癒しになる。その笑顔にやられた男子が数多い。天然が少し入ってる。行動も遅いので誰かがついてないといつもの2倍以上の時間がかかる。
そして俺、西城俊。高校2年生。黒髪で目元ぱっちり愛嬌のある顔をしてるはず。栞姉ちゃんと同い年だけど、誕生日で俺が一番下。
そんな6人姉弟で過ごしている。
そして5人の姉達は全員彼氏がいない。
何故なら全員俺の事が好きでたまらないブラコンな姉達だからだ。
ちなみに両親は海外出張で家にはいない。
「あれ?凛姉と葵姉は?」
今日は二人ともまだ見てない。
「凛ちゃんなら今日は生徒会の集まりがあるから先に行くって言って出てったよ」
と結菜お姉ちゃんが
「葵なら寝てるわ、今日も遅刻する気かしら?」
と陽葵姉ちゃんが答えてくれた。
「いつもの事だね、あはは」
遅刻常習犯、サボり常習犯の葵姉、誰が言っても聞かない。唯一聞くとしたら俺の言うことくらいかな?まぁそれも2回に1回は断られるけどね。
ご飯を食べ終え、味噌汁を飲み終わり、シンクに置きに行く。
「栞姉!行こう」
「まってよぉ、まだ食べてるから〜」
栞姉はいつも食べるのが遅い。のんびりマイペースに食べるので遅くなる。
「はぁ、待つから、早くしてくれ」
そういった所で早くなるわけじゃないけど、まぁ、後10分くらいか。ゆっくり待とう。
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