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であい

学校につくと、はいってすぐの掲示板に人がたくさんいた。


とりわけ頭がよいわけでも、逆に悪いわけでもないし、

お金持ちでもないけど、公立ではなく私立の高校

素行が悪い、という以外の問題を抱えたひとがはいりやすい学校だそう。


そのせいもあってかあまり大きな騒ぎも聞こえず

奇抜な格好をしているひともほとんど見当たらなかった。



まゆは掲示板を見上げる


「ふーん、2組か」



1年2組37番、クラスの最後に名前がある。

席が一番後ろであることを期待して校舎にむかおうとした。



学校はそれなりに広いしきれい。

いくつかの部では推薦をとっているらしく、何回か全国にもいっているそうだ。



方向音痴だからなれるまでに時間がかかるだろうなぁとか、


全く知らない人ばかりのなかで友達とかできるのだろうかとか、


歩きながら考えていた。

深く考えたりしない。普通のことを、普通に。


掲示板から昇降口とみられる道には桜の木がたくさん植えられていて、

自分のクラスを確認した新入生がぞろぞろと歩いている。

一人の子もいて、何人かでグループになっている子もいて、

その中をまゆは誰を見るでもなくぼんやりと歩いていた。



と、そのとき

なにかが見えてしまった

おもわず肩がゆれる。


目のはしに、うつるもの


あおいリュック




お店で何時間も悩んで、やっぱ違うのにしよっかなとか、いろいろ、本当に迷って

結局一番最初にいいなって思ったあおいリュックにえいやって決めた。


付き合って一年の記念日



学校の指定は黒か紺か茶のバッグだったのにあげた次の日から健吾は毎日使ってくれて。



朝、前を歩くそのリュックをぎゅってつかんでふりかえる笑顔におはよって言ったり

一緒に帰りながらふざけてひもをひっぱったりした。



そのリュックが、前を歩いてる



ばかみたい


って思った


あのリュック持ってる人なんて

たくさんいるじゃない



健吾がここにいるわけない

絶対いないいないいない



そうわかっていても、

わたしより20センチくらい高い背

ちょっと大きめのニット

くるってしたえりあし


理屈じゃなくて、

なにでもなくて、



おもわず

走り出して、


そのリュックをつかんだ。




「うぉい!なんやどうした!」



そう叫んでふりかえったひとは

やっぱり健吾じゃなくて

顔だって別に似てもなくて

関西弁みたいななまりがあって



でもどうしてか、

ちょっと驚きと怒りをふくみ

不審そうによせられた眉に



なみだが、こぼれてしまった。

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