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秋風の月
大地に触れて
人は、そこに生きているだけで、すごいと思う。
僕は昔、たくさんのものを望んでた。
空を仰ぎ見るように周りを見ては、溜め息をついていた気もしなくもない。
日々の煌めきが眩しすぎて、夕焼けを憎み、「僕にはない」と嘆き羨んだ。
だけど、本当にほしいものは、自分の内側にあったんだ。
それを知って、心の奥深い場所と対話を始めてからは、いろんなことが変化してきた。
今の僕も相変わらずへなちょこだけど、今は…
毎日があることが、しあわせだと思う。
昔より世間的にはけっこうダメダメでも、こうして生きていられる今を、嬉しく思う。
それに、昔よりは僕らしく在ろうと動き出してみた今、不思議と、昔願っていたことを受けとることが増えたんだ。
僕は、例えば医療や色々でたらい回しにあったときとか、いろんな人から冷ややかな笑みを浴びもしたけど、それ以上に、たくさんの人から、あったかい気持ちをもらってきた。
この創作界でも、毎日たくさんのかたに励まされていることに…心から、ありがとうって、思うんだ。
かつて、毎日のように「僕なんか」って思ってた時には、そういう…背中にそっと受けとっていたものを、全部はじいてしまっていたのかもしれないなぁって。
今もたまに全身針ネズミになってしまっては、自分で自分にツッコミを入れていたりするけども、それに気付くことはできるようにはなったかな。
憧れていたものは、すぐそばにあったのに。
見ようとしてこなかったのは、自分だった。
僕は、泣いていた僕の心を無視し続けた挙げ句、一時期記憶さえ曖昧だったこともあって。
僕の心の中に入って、僕を助けることができるのは、最終的には僕なのに…ずっと、そこから逃げていたんだ。
セレスとの歩みは、激動?な歳月だったかもしれない。
セレスを書きはじめた頃と今の僕は、だいぶ違うようなんだ(仲間談)
本質は変わらないけど、変わってゆく歳月をともにした作品。
当初よりは、マイルドなお話になったかな(笑)
たくさんの人に支えてもらって、たくさんの人に気付きをもらって、今の僕がある。
その気付きがなかったら、僕はずっと、僕と向き合えなかっただろう。
…今は、毎日適度に向き合っているよ。
日々、あったかい気付きをたくさんいただいてる。
本当に、ありがとう。
奇跡のように、ありがたいことです。
まだまだ気付いてなかったしがらみがたくさんあったなぁって。
自分で作り上げてしまった壁に、今日も気付かせていただいちゃいました。
心は変幻自在。
それなら、僕は僕の在りたいように、生きられる。
あえて、はず、はつけない(笑)
いつの日か、今日の僕を笑い話にできるように、今この瞬間から、僕の意識を変えてゆこう。
愛は、求めるものじゃなくて。
絞り出すものでもなくて。
絶えず流れて循環する水のように、ただ「在る」ものかもしれない。
渇望した時には手が届かなかったのに、渇望を手放したら、足元にあった。
小さな、白い花のように…。
きっとこの世界は、月のようなんだね。
見る場所、見る人によって全く異なり見えて。
けどいつだって、太陽に照らされている。
影ができるのは、光が届いているからなんだね。
……長いこと、気づかなかったなぁ。
ありがとう、だなぁ。