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雑記。
昔、いちばん最初に書いた長編小説は『風の唄』という三部作だった。
長編としてのセレスの前身のような小説で…
とにかく、主人公二人が最後まで報われないダークファンタジーだった気がしないでもない。
世界が滅びた終わりの先に、遠い星での転生エピソードを書いたのが、唯一の救いだったかもしれない。
ちなみにその前に書いたファンタジー短編では、すべてが無になって終わっていた。
セレスでは、さてどんな感じかはここでは言及できないが、あれだね……色々と、色々が和らいだ気がする。
あれで和らいだのか!と叫ばれそうなのはまあそれはそれで。
書いた時期と照らし合わせると、クスッと笑ってしまうことがたくさんある。
昔の自分からしたら、エバーグリーンの主人公二人はアホ極まりなく見えるだろう。
そんな深い意味でのアホに、以前なりたかったのかもしれなあなぁと、ふと考えるんだ。
誰かに弱さを見せられるのは、勇気。
誰かとともにいられるのは、覚悟かなと。
ついつい単独行動で草蔭に隠れたくなってしまう僕は、そう感じるよ。
ちなみに、アホになりたいわけではない。
うん、だいたい常にアホだから、これ以上はならなくていい。
昔の長編主人公の名前はシアン(セレスト)とルビィでした。
このとき、原型はあったのかもね。
キャラはだいぶ変化したが…。うん、シアンは真面目だっ………ごほん。
ルビィも優しかっ……げほげほ。
あれな短編のほうは異能力をテーマにしていて、暗殺シーンからはじまる謎小説でした。
異能力サイドが主人公だったかな。
群像劇っぽかった気がします。
ウォルナットとかカナリーとか、色の名前をつけていたのが昨日のように鮮やかです。
かいていた机も、挿し絵も、表紙も、コピー本ゆえに印刷が大変で、夜中にひたすらコピー機と格闘したのも、空気さえも、目を閉じたらすぐ前にあって。
そう…僕の記録は、鮮やかすぎるくらい鮮やかなんです。
それがぎゅうぎゅうに脳裏にあるからか、たまに時間感覚がくるうのです。
いやはや。
そんな時ほど、アホでありたいものです。