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師走

向き合う



先刻、心の中のタールと向き合った。

一人では危ないということで、見守りがある中で、安全策を立ててから行った。


広さは、湖ほどある。

そのどろどろの中心に、僕は居た。


ただ、叫ぶ。

出てこいと思いながら、思いきり。

言葉にならない、声だけで。


そうして、僕は再び邂逅した。


「殺してやる」

「助けて」


二つの、声がした。


ひとつは、男性の声。

もうひとつは、子供の声のようだ。


それだけ聞いた時点でタイムアウトになり、僕は帰ってきた──この、世界に。


そうして、二つの言葉を解釈して──


僕は、思っていたより様々な感情が僕の中で入り交じって、紆余曲折を経て僕自身に向いていたことを確認した。


言葉や意思の伝わらなさ、分かちあえなさ、諸々。

そうした感情さえも、混じっていた。


短いのに、長い時間が経過したように感じた。


──タールはまだ、しん、と心の中にある。

呼び起こした時は煮え立っていたが、今は不気味に静かだ。


長い時間がかかるのか、一瞬で開けるのかは、解らない。

解らないけれど、これからも、対話してゆくのだと思う。

自分の中の──鬼のようなものと。


僕はこれらの光景を再びタールの中に戻そうとした。

しかし、タールはそれを許さなかった。

そして、僕自身の心の芯もまた。

だから、今、これを書いている。


──ともあれ。


日々、穏やかで、穏やかでありたいものだ。




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