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53 光泰 家来が出来る

たった一人で、本能寺の変を回避する。

見た目は子供、頭脳は微妙、その名は明智十次郎光泰。


元服の次の日


光泰 「おぬしが、わしの近習になる森殿じゃな」


爺の孫、森茂兵衛、僕の最初の家来だ。


茂兵衛「爺様から、しっかり務めるのじゃぞと言われました」

光泰 「ところで、名前が紛らわしいな」

茂兵衛「左様で御座いますか?」


まさか、爺と同じ名前とは。


事前に近習の事は、話を聞いていた。

爺の孫とは、気が利いているのか?

爺を若くしたら、こんな顔だろうな。


茂兵衛「どうなされました」

光泰 「何でも無い」


もう一人居ると、聞いてるのだが


???「遅れまして申し訳御座らぬ」


光泰 「名は、なんじゃ」


???「田中魑魅魍魎で御座います」


茂兵衛「嘘をつくな!!権兵衛だろう」

権兵衛「今日から名を改めたのじゃ」


こいつ、魑魅魍魎はないだろう。


光泰 「その服はなんじゃ」

権兵衛「駄目で御座いますか」


着物の肩に鳥の羽根を付けている。


光泰 「父上に見せたら殺されるぞ」

権兵衛は、飾りをすぐに外した。


光泰 「いつもこうなのか」

茂兵衛「いえ、家では大人しくしております」

権兵衛は格好だけの偽傾奇者だった。

これは、しくじったか。


光泰 「歳はいくつじゃ」

茂兵衛「十六歳でございます」

権兵衛「十五歳でございます」


僕が早いだけで、普通は十五ぐらいで元服するからな。

そういえば二人とも、名前の最後が兵衛だな。


光泰 「知っておるか、羽柴殿には半兵衛と官兵衛と言う軍師がいて、

    二兵衛と呼ばれておる(竹中半兵衛は死んでいるけど)」

茂兵衛「我々と同じですな」

光泰 「お前達には、その二兵衛以上の働きを期待しておる」

権兵衛「若様」

光泰 「何じゃ」

権兵衛「ご命令を」

茂兵衛「若様が、言うまで待てぬのか」


何か、面白い事をさせるか。


光泰 「これからは、わしの事を、ボスと呼べ」

茂兵衛「ボスで御座いますか?」

光泰 「そうじゃ」

茂兵衛「なにか意味がお有りですか?」

光泰 「大した意味は無いが、父上や兄上達の家来達と

    区別を付けるため、お前達だけに特別に、呼ばせたいのじゃ」

権兵衛「あっしは、気に入りましたぜ」


うん、権兵衛なら気に入ると思った。


茂兵衛「なんだか、恥ずかしゅう御座います」

光泰 「なんじゃ不服か?」

茂兵衛「滅相も御座いませぬ」


僕の家来達はこの後、ボスと呼ぶようになった。


光慶 「お主の家来達が、妙な事もうしておるが、どうゆうことじゃ」

光泰 「私めの事を、ボスと呼ばせておる事ですか」

光慶 「ボスとはなんじゃ」

光泰 「僕と光泰の、最初と最後を、くっつけただけに御座います」

光慶 「お主は、相変わらずおかしな事をするのう」

(注:”僕”は男の召し使いの意味があり、偉い人は使わず、

 戦国時代では、一般的ではない)


茂兵衛と権兵衛。

役に立つかは解らないけど、気は合いそうだ。

今まで同世代の知り合いは、光慶とその近習以外、いなかったからな。

けしてボッチでは無いぞ。

わざと作らなかったからね。本当だぞ。

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