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43 十次郎 おこる

二月二十八日、

京の都で、御馬揃えが行われた。

明智光秀は、実行責任者として忙しい。

僕は、全く興味がない。

イケメン俳優のパレードなら、観てもいいが、

オッサンのパレードを、楽しむ趣味はない。

どうせ、見に行けないし。


光慶 「もう一度、御馬揃えを行うそうじゃ」

十次郎「それは、なぜで御座いましょうか(棒読み)」

光慶 「好評であったからであろう」


本当に、どうでもいい。


光慶 「それでな、わしも参加することになったぞ」

十次郎「それは、おめでとう御座います(棒読み)」

光慶 「京の者に、わしの晴れ姿を、見せつけてやるぞ」

十次郎「それは、よろしゅう御座います(棒読み)」

光慶 「楽しみじゃのう」

十次郎「それは、うらやましゅう御座います(棒読み)」


光慶は、浮かれていた。


明智光秀が、光慶の参加を、決めた理由はなんだろうか?

光慶の悪評を、払拭する為か?

実物を見れば、ただの子供だと解るからな。



三月になり、二度目の御馬揃えが行われた。


十次郎「いかがでしたか(棒読み)」

光慶 「京の者達が、わんさか見に来おったぞ」

十次郎「そうで御座いますか(棒読み)」

光慶 「わしが、通りがっかたら、悲鳴と怒号が、鳴り響たぞ」

十次郎「それは凄い(棒読み)」

光慶 「上様(織田信長)と、お話したぞ」

十次郎「なにを、お話されたのですか(棒読み)」

光慶 「わしの事を、聞かれてのう。

    噂は嘘じゃと、言うておいた」

十次郎「そうなのですか(棒読み)」

光慶 「悪い噂は、十次郎がやった事が、

    元になっておると言うておいた」


なに!!とんでもない事を、言いやがった。

ここは、気持ちを抑えて、スマイルで、


十次郎「くわしく、お聞きしたいのですが(怒)」

光慶 「ところで、いつの間に上様へ、玩具を送ったのじゃ?」

十次郎「上様の子供に、送ったのです。

    そんなことよりも、なんと申したのですか(怒)」

光慶 「新しい玩具を作って、悪さばかりすると」

十次郎「他には?(怒)」

光慶 「最近も、よく解らぬ料理を、作っておると」

十次郎「料理の話を、したのですか(怒)」

光慶 「砂糖を買い求めているから、新しい菓子でも

    考えているのであろうと、言うたぞ」

十次郎「それを聞いて、上様はなんと申しておりましたか?(怒)」

光慶 「おぬしに、会うのを期待しておると、言っておったぞ」

十次郎「そうでございますか(激怒)」


何て事を、してくれたんだ。

ヤバイ、ハードルが、高すぎる。

織田信長に、菓子を作らなければ、ならなくなったぞ。

不味い菓子を出したら、どんな目に遭うか解らない。

こいつ解っているか?


十次郎「兄上、ご自分がとんでもない事を、

    言うてしまわれたことを、お気づきですか?(激怒)」

光慶 「何の事じゃ?」

十次郎「これでは、私めが、上様に菓子を献上せねば成らなく

    なった事です(激怒)」

光慶 「何故じゃ?」

十次郎「上様が、期待しておると言えば、

    答えねばならぬで、御座いましょう(激怒)」

光慶 「子供に期待はせぬであろう?」

十次郎「佐久間が、追放されたのをお忘れですか?(激怒)」

光慶 「覚えておるぞ」

十次郎「もし、期待に答えられねば、明智家は無能者と思われ

    いずれ、佐久間のニの前になりますぞ!(激怒)」

光慶 「そうなのか?」

十次郎「近々、上様の御気性を知る父上から、どのような菓子にするか、

    尋ねられる事になりましょう(激怒)」

光慶 「それは大変じゃのう」

十次郎「兄上の所為せいでは御座いませぬか!!(大激怒)」

光慶 「まあ、頑張るが良い」


光慶は逃げた。


この大馬鹿者が!!

織田信長が、喜びそうな菓子なんて、知らないぞ。

知っているレシピも、少ないのに。

タイムリミットは、僕が元服したときか?。

本能寺の変の、前になるか?。


その後、僕が頭を悩ませている時、

光慶は、御馬揃えの話を皆にして、浮かれていた。

京都馬揃えに参加させようか悩みました。

信長の権威を示す為のパレードですので、

悪評が流れている光慶を参加させても

おかしくは無いと考えました。

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