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15 十次郎 なにもしない

明智光秀が帰ってきた。


十五郎「父上、おかえりなさいませ」


明智光秀の子供が全員揃って迎えた。

引きこもりの京子姉さんもいる。

初めて見るが今は、明智光秀だ。


明智光秀は老けていた。爺より老けていた。

頭はハゲていた。白髪が多い。

顔には疲労が溜まっているように見えた。


光秀 「なにも変わりはないか」

十五郎「皆、元気でございます」

光秀 「婚儀の準備は進んでおるか」

珠子 「はい、滞りなく」


明智光秀に、喋る事はない。

下手に喋って、本能寺の変が早まってはならない。


乙寿丸「ちちうえー」

光秀 「乙寿丸、大きくなったな」


明智光秀は乙寿丸を抱っこした。

まるで祖父と孫のようだ。


光秀 「皆、下がるが良い」


子供達は大広間を出ていった後、入れ替わるように

家臣達が入っていった。

短い会話しかしなかった。


珠子 「父上は、相当お疲れのご様子、

    邪魔をしないよう致しましょう」



次の日


十五郎「いってらっしゃいませ、父上」

明智光秀は朝早く、城を出て行った。

たった一日、滞在しただけだった。


その後、月に一度ぐらいで明智光秀は、城に帰ってきた。

会話はほぼ同じだった。元々、口数が少ないらしい。



まさか、忙しすぎて裏切ったのか?


明智光秀やっと登場させられました。

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