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14 十次郎 我儘を言う

本能寺の変まで3年6ヶ月。

それまでに体を鍛えよう。

まずは食べ物だ。台所に向かった。


台所には料理人達が夕食の準備をしている。

全員、男である。


料理頭「若様、何か御用で御座いましょうか」

十次郎「牛乳はあるか」

料理頭「ぎゅうにゅうとは、何でしょう」

十次郎「牛の乳じゃ」

料理頭「牛の乳をどうするので御座いましょうか」

十次郎「飲むに決まっておろう」


料理人達は、困惑している。


料理頭「牛の乳は、ここには置いておりません」

十次郎「取り寄せられぬのか」

料理頭「近隣の村に、乳の出る雌牛が居れば可能かと」

十次郎「では取り寄せよ」



数日後


料理頭「牛の乳が届きました」


さすがに生は危ない

十次郎「まずは温めよ」


湯呑みに入った牛乳を飲んでみた。

なんだか少し生臭いが飲めなくはない。


料理頭「お味はよろしいでしょうか」

十次郎「これを毎日、飲めぬか」

料理頭「毎日ですか」

十次郎「そうじゃ」


十五郎「なにをしている」

十五郎と乙寿丸がやってきた。


十次郎「牛の乳を飲んでいるのです」

十五郎「そんな物を飲んで大丈夫なのか」

十次郎「大丈夫です」

十五郎「乳なぞ飲んで、牛になるぞ」

十次郎「牛の乳を飲んで牛になるなら、

    十次郎は虎の乳を飲んで、虎になりまする」

十五郎「なれるわけなかろう」

十五郎は笑っている。


今に見ておけ、十五郎より大きくなってみせる。


乙寿丸「あにうえー」

十次郎「乙寿丸、飲んでみるか」

乙寿丸「いーやー」


乙寿丸は十五郎の後ろに隠れた。

十五郎「乙寿丸は十次郎より大人じゃのう」




その後、


料理人「若様は、なぜいきなり牛の乳なんぞ、飲みたがのだろうか」

料理頭「母親が恋しいのやもしれぬ」

料理人「まだ甘えたい年頃なのかのう」


また知らぬ所で、勘違いされている。

次、光秀登場

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