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13 十次郎 怖がる

正月も終り、普段の生活に戻った。


兄、十五郎と囲碁を打っている。


十五郎「それは違うぞ」

十次郎「何が違うのです」


囲碁をしながら、京姉さんの話をしている。


十五郎「京子姉上は病弱ではないぞ」


京子姉さんは、ただの引きこもりだった。


十次郎「津田信澄殿は、どのような方でしょう」

十五郎「碌でもない人らしいぞ」

十次郎「碌でもない?」

十五郎「噂では、残忍な性格で、罪人を馬で踏み殺させたそうじゃ」

十次郎「では兄上は、この結婚は反対ですか?」

十五郎「大反対じゃ」


津田信澄は、十五郎に嫌われていた。


十五郎「明智家の親戚に謀反人の子などいらぬ」


津田信澄の父親は織田信行。

信長の弟で、二回裏切っていた。


十次郎「断ることは出来ないのですか」

十五郎「出来るわけなかろう」


ちなみに十五郎は囲碁も弱かった。

次の手がバレバレなのである。

僕は初心者、強い訳ではない。


初心者とバレバレのヘボ碁は、十五郎が僅差で勝利した。

戦国時代はコミがない。

現代のルールでは、先手が有利なので、6目半のハンデを負う。

つまり現代のルールでは、僕の勝ちである。


十次郎「参りました」

十五郎は、満足して帰っていった


津田信澄の事を十五郎の話だけで判断する訳にはいかない。

月に一度の見回りで津田信澄の事を家臣達に聞いた。


十次郎「津田信澄殿はどんな人ですか?」

家臣R「噂では、恐ろしい方だと聞いております」

家臣S「優秀な方だと聞いております」

家臣T「よく存じませぬ」


アンケートの結果、津田信澄は

怖い    62%

優秀    18%

わからない 20%

と云う結果になった。


津田信澄、評判悪すぎ

味方にするのは諦めよう。だって怖いし。

京子姉さんごめんなさい。

十次郎は何も出来ません。



家臣S「若様はなぜ、津田殿の事を聞いていたのじゃ」

家臣M「姫様の事を、心配なのでは」

家臣L「若様は、お優しいのう」



十次郎は知らぬ所で勘違いされていた。

作者は囲碁のルールも知りません

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