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ファイル1 ??? 明智の子外伝 犯人の事件簿

これは、必然居合わせなかった名武将の子に、

謎を暴かれなかった犯人の、稚拙な計画と実行の記録である。


十二郎殺害事件、光泰毒殺未遂事件、本能寺爆破事件。

本能寺の変の裏で起きていた三つの事件は、

犯人である一人の男の数奇な運命によっておきた事件だった。




わしには、名前が無い。

甲賀の忍びとして育てられ、六角家の為あらゆる忍術を学んだが、

まさかの主家没落。

その後、松永家に潜り込み、敵対していた筒井家の弱体を図る任務の為、

様々な工作を行ってきた。

だが今度は、松永家炎上。大爆死。勘弁してくれよ。

だが、運の無いわしを拾う神も現れるもので、

名は知らぬが、元松永家の家臣から筒井家の乗っ取りを画策する為、

協力して欲しいと依頼が舞い込んできた。

報酬は、千石扶持以上の武士に取り立てると。

嘘かも知れぬが、わるくわない。どうせやる事はないのだ。


五月三十日早朝、


???「これで、筒井家も終わりじゃ」


まずは筒井家養子の明智十二郎を殺害した。

いや、名を変えていたな?まあ今になってはどうでもいい。


この子が死ねば、真っ先に疑われるのが筒井定次。

明智光秀も黙っているはずもない。

これを機に、筒井家の面倒な輩を排除するだろう。

もしかしたら新たに養子を送り込み、筒井家を乗っ取る策か?

だとしたら雇い主は織田家の者か?それとも・・

考えても仕方あるまい。

さて、次の指示を仰ぐため、都に向かうとするか。


六月一日昼過ぎ、

これからわしは、旅の僧に化けて、連絡役と落ち合う。

そこに間抜けずらの若武者?が、声をかけてきた。


茂兵衛「これ、そこの御方、ちと道を尋ねたいのじゃが、

    京の都への道は、此方で良いのかのう?」


なんでだろうか?武士にしては目付きに、野心が無い。

もしかしたら、かなりの上役の倅か?

苦労知らずの侍は、気にくわぬ。


???「この道を真っすぐ行きますと、都に着きますが?」


嘘を教えてやった。まあ直ぐに気づくであろうが。


茂兵衛「忝い、これで若様に怒られずに済む」


しかし、この間抜けの主君は、誰であろうか。

少し聞いてみるか?


???「所で御武家様は、何処の家臣で御座いましょうか?」


茂兵衛「わしは坂本城城代、明智十次郎様の近習じゃが?」


はぁ??この間抜けの主君も明智十二郎じゃと!!ふざけるな!!

何処の世に、己の子に同じ名を付ける親がいるのじゃ。

親子なら時々おる。まさか・・罠か?


たしかあの時、繋ぎの者に筒井家の養子に入った明智十二郎を殺せと指示された。

もしかしたら報酬の約束を反故にする為、偽の名を告げられたのか?

明智十二郎の名を確かめた訳ではない。

本当は別の名で、わしを指示を間違えた愚かな忍びに仕立てる罠。


だとしたら気にくわぬ。ならば両方亡き者にすればよい。

わしを罠に嵌めようとした者に一泡吹かせてやる。


間抜けと別れ、わしは坂本城に向かった。


六月一日夜、坂本城城下町


潜り込むのは明日にして、今は誰に化けるのが良いか、

町の者に話を聞くか・・・居ない・・・明らかに人が少ない。

話を聞けそうな男が一人もおらぬ。

町には、女と子供ばかり、侍が一人も居らぬ。


仕方がない、下策だが伝令に化け、十二郎を引き吊り出すか。

何処からか、着物を盗まねばならぬ。

留守の家を探すとするか。


六月二日夕方、坂本城、城門前

盗んだ着物を着て伝令に化けた。

見破られたら、直ぐに逃げられるように。準備はしておいた。


???「大変で御座います。十二郎様がお亡くなりになられました」


どうじゃ迫真の演技は!!おおう慌てて居る。

しかし可笑しいのう、何故この城は女ばかりじゃ?

あとは年寄り、小汚い童もおるではないか?


妻木範熈「何故、先ほどまで元気でおった十次郎が亡くなるのじゃ」


なんじゃ?この爺は?もう一人の十二郎は何処じゃ?


???「詳しく城代様に、直接伝えねば成りませぬ。

    早く御目通り下され」


妻木範熈「其方、何を言っておる。

     この城の城代は、十次郎であろう」


話がめんどくさい。


??? 「大和の国に居りました、十二郎様の事に御座いますが?」

妻木範熈「はて?京の都に行ったのでは無いのか?」


まさかの留守!!しかも京の都!!遠回り!!無駄骨!!

だとしたら、最早此方に用は無い、逃げるとするか。


初菊  「今の話は本当ですか?」

妻木範熈「落ち着きなされ。そう易々と討たれるはずは無い」

森お茂 「武家の嫁たる者、不確かな話に動じてはなりませぬ」


この隙に、上手く逃げるとするかのう。


妻木範熈「おや?あの者は何処に行ったか?」


六月二日、京の都


都は物々しかった。

明智の兵が至る所に居り、何かが起きたらしい。

これでは動けぬ。落ち着くまで待つとするか。

しかし、あの旗(☆)はなんじゃ?


六月四日


ようやく明智の兵が帰り始めた。

十二郎は本願寺に居るとの話を耳にした。

さて、今度は坊主にでも化けるかのう。


六月五日早朝、本願寺


間抜けな見張りを横目に、本願寺に忍び込んだ。


しかし寺に女子を呼んで、閨を共にするとは・・・

ますます気に入らぬ。

この猛毒を飲んで死ぬがいい。


???「倒れられたそうで、これはよく効く薬でございます」

光泰 「親切にすまぬのう。後で飲む故、そこに置いてくれ」


流石に直ぐには飲まぬか。

顔は覚えた。後は寝込みを襲えばよい。

今ここで討とうと思えば討てるが、逃げ道がなくなるからのう。

戻ってくるまで何処かに隠れるか。


六月五日夕方


わしはまだ、本願寺に居る。

出ようと思ったが外には、わしの顔を知る忍びの者が居った。

確か名は、案山子の平次郎と呼ばれて居ったのう。

徳川の下へ向かったと聞いたが、明智を探りに来たか?


夜になったら逃げるとして銭になりそうな宝物は無い物か?


変な鍋?は有るが・・・いや陣笠か?これは?

棺桶の中には・・哀れよのう(笑)、子に討たれるとは。

変な陣笠を被せてやろう。禿頭にお似合いじゃ。


さて、隣の部屋は・・・これは玉薬か。

大量にあるが・・・要らぬな。

火を付けれは面白い事に成るかのう。

そうじゃ!!紐を繋げて火を付ければ騒ぎになり、

逃げるには容易い。

他に宝物は無さそうじゃ。仏像は要らぬ。


5分後。


出来た。後は暗く成るのを待つとするか。

その前に火は付くかのう。

火付け石で紐の先端を燃やしてみた。

良く燃えるのう、これで良い。


その時であった!!!

一匹の鼠が紐に絡まって、火薬の下に走り出した!!


しまった!!!


ドオッーーーーーーーーカン●~*!!!!!!!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




こうしてわしの人生は終わった。


??? 「これ金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿のパクリだろ」

爺(神)「黙れ外道」

??? 「本編と口調変えるな」

爺(神)「では敗因は何だと考えますか?」

??? 「おい!!鼠てなんだよ!!そんな伏線、何処にあった」

爺(神)「案山子の平次郎」

??? 「その設定出てないぞ!!」

爺(神)「最初からあったのですがね。ほら初登場の時に百姓だと」

??? 「ああ、そうだよ。服部半蔵は何故、平次郎を送ったか。

     平次郎は忍びとしては致命的な弱点。

     動物が平次郎を嫌い、傍から逃げ出すという裏設定がな」

爺(神)「ご説明有難うございます。

     お礼に地獄旅行一兆年プレゼント致します」

??? 「いらぬ!!」


地獄にて巨大なひよこが、一人の男を啄ばんでいた。


ぴよ次郎「ぴよーーーーー(怒)」

??? 「なんじゃ、このひよこは!

     痛い!!痛い!!」





坂本城に一つの墓が出来た。


光泰 「ぴよ次郎と見知らぬ誰か。ここに眠ると」

茂兵衛「宜しかったのでしょうか?

    誰かは知りませぬが、ひよこと一緒に埋葬しても?」

光泰 「立派な墓じゃないか。文句を言う奴はおるまい」

茂兵衛「こんな薪を刺した墓がで御座いますか?」


因みにこの墓は、直ぐに忘れ去られ

お参りする者は居なくなったのである。

賤ケ岳が思いつかないので、お休みしております。

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