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犯されるぅっ!

「神崎一夜くん、ね?」


「あ、ひぁい、そうぇす…」


「?」


美人を前にして思いっきりテンパリ、挙句声も出ず、相手の頭の上にはてなマークを浮かべさせてしまうという黒歴史を生んでしまった。

多分声が届いていないんだろう。自分でもびっくりするくらい声が出なかったもの。


「……あ、えっとぉ、な、にか、用…ですか…?」


ぬあああダメだァァ恥ずかしい恥ずかしい!

何だこの返事は気持ち悪っっ

陰キャどころかただのヒキニートか!

似たようなものだった。


「……え、あ、えぇ、はい、今暇ですか?」


うあぁ、お姉さんがめっちゃそれ相応の態度に……

なにこのまるで頭のおかしい子を相手にするかのような態度に変わったんですけど、めっちゃゆっくり「いま、ひまですか?」って……死にたい…


「え、あぁ、はい一応」


「よかったわ、それじゃあまずは自己紹介させていただきますね?

私は「九ノ瀬 奏」といいます。」


彼女は懐に手を伸ばし、手馴れた手つきで名刺入れから名刺を取り出す。

この美人おっぱいは九ノ瀬奏って言うのか


「あ、はい…九ノ瀬さん…えと、よろひくお願いしあす…?」


「…?ああ、えぇ、よろしくね。」


もういい慣れたぞ、大丈夫。大丈夫だ。だから泣くな俺。


「ところで、一夜くんはもう進学する高校はお決ま…あー、決まっているかしら?」


お姉さんの口調が素っぽくなったな。めんどくさくなったなコイツ。


「いえ、まだ…です」


「名刺を見てもらえれば分かると思うけれど、私は学校の教員なの」


名刺を見るとそこには東大学附属 第一学園。と書いてあった。


「実は貴方には来年度から、その学校に通って貰うことになったの。よかったわね、受験勉強しなくて済んで」


「……へぁ?」


理解ができなかった。


◇◆◇◆


改めて説明を受けると、どうやら東大学附属第一学園という所はある特別な条件を満たした生徒が入れる学校らしい。

そして、その特別な条件を満たしていればほぼ強制的にその学校へ入学させられる。これはもう国が行っていることらしく。簡単には断ることは出来ないらしい。まぁ義務教育の延長線みたいな感覚だとあの美人おっぱい…もとい九ノ瀬さんが言っていた。

そしてそのある特別な条件というのが……


「超常的な異能力の発動する可能性があることなの」


らしい。


「超常的異能力…いわゆる異能力を人類が初めて観測したのは約500年前、ヨーロッパのある町で一人の少女が手を使わずに人形と遊んでいたところを多くの住民が見ていた。それと同時期に別の街で掌から炎を出して人を殺したという記録も残ってる。これらが火種となり、急激に魔女狩りが行われたわ。

そして、そんな中あるカトリックの司祭が異能力に目覚めたことにより、17世紀末には魔女狩りが終わったの。

そしてその司祭はー」


「なるほどわからん」


長くなりそうだし、よくわからなかったのでとりあえず話を切った。多分今日初めてまともに言葉を発した。

魔女狩りとかふわっとしか知らない俺にとっては歴史の授業を受けているようで苦痛である。


「…ごほん、とにかく貴方からは異能を発動させるかもしれないDNAが発見されてるの。なので来年の春からはうちの学校で異能を使いこなすためのカリキュラムを受けてもらうわ。」


「……あの、」


「なぁに?」


「頭おかしいんですか?」


「……死にたいのかしら?」


「いや、急にそんな異能力だとか訳の分からんこと言われても……ぶっちゃけ頭おかしいのかと」


「あら?見せてなかったっけ?」


「…なにを?」


「これが私の異能よ」


そういうと彼女は掌を前に突き出し、その指先から……


じょろろろろろ


水が出た。


「はい、どうぞ。」


器用にコップに注がれた水を見て、なんとも言えない気持ちになる。

大丈夫なのか?これ。


「ちゃんと飲める水だから安心なさい。」


「あ、はい」


ふむ、普通。

冷えてくれてた方が嬉しいな。


だが、そう簡単に異能を信じる俺ではなかった。


「すごいですね、腕にホースでも仕込んでるんですか?」


「仕込んでません。なんなら脱いで見せてあげようか?」


「ほぉ、ではぜひ」


ふっ、阿呆め脱ぐって単語を出せば俺みたいな陰キャなら戸惑って誤魔化せると思ったか!

残念だったな!そんなんじゃ惑わされ…………


「いいわよ」


え??

ジャケットのボタンを外してジャケットを簡単に畳んで置く、もちろんホースがないアピールも怠らない。そして更にブラウスのボタンにまで手をかける。


「あ、ちょ」


流石に焦った俺は思わず声をかける。すると彼女は含みのある笑みを浮かべ


「なにかしら?」


あっ、コイツ楽しんでやがる!!

いいだろうその気ならこっちだって


「いえ、一応セクハラで訴えたりとかしないかだけ確認しとかないと思っただけです。」


「ふふふ、しませんよそんなこと」


よし言ったな?言質取ったぞ?


「そうですか、じゃあ続けて下さい」


そして再びブラウスのボタンを上から外す。まるで見せつけるかのようにゆっくりゆっくりと、やがて全てのボタンが外れ、完全にブラが見えている。そしてブラウスの肩を引っ張って彼女の綺麗な肩と胸が顕になる。

アダルトなビデオを見てる気分だ。

そして、ブラウスも脱ぎ、もはや上半身を隠すのはブラだけとなる。

…ほんとにデカイな。


「ふふ、どう?これでもまだ疑う?」


「……あっ、いやぁ、」


完全に胸にしか目線が行かない。


「あら?ふふ、男の子ねぇ、こんなにしちゃって」


コツコツコツと音を立てて移動する。ベッドの横に座り、彼女は俺の下腹部を赤らんだ顔で見つめる。


こ、こいつ、まさかヤル気か!?学校の先生がそんなことしていいのか!?

いや、だが、してくれると言うのなら俺全然構わないというか、なんというか、


「……ねぇ、しちゃう?」


これが噂の魔女狩りならぬ、童貞狩りと言うやつだろうか。


うちの息子はもう期待と不安でパンパンです。


「あ…えと、ひぁい。」


また噛んだ。が、

気がつけば奏さんの顔がすぐそこにあった。色気のある火照ったような頬がそこにある。とろんとした、スイッチの入っている目がすぐそこにある。

唇が、もう触れる寸前。


「一夜ーっ、なんか外にすごいダンディなおじ様達が立ってたんだけど……」


姉ちゃんがお見舞いに来ました。


「………助けて姉ちゃん!犯されるぅっ」


「へっ?あっ、ちょ!?ずるくない!?」



扉の前には唖然とする姉と九ノ瀬奏さんの付き添いと思われるダンディなおっさん達が呆れた顔をしていた。

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